3次元CADによる実践的ものづくり

理念と目的

 機械工学科の教育理念・目的は「もの作り教育」の課程を通して、「実践的、創造的能力を備えた人間性豊かな技術者を育成すること」に根幹をおいています。

 現在の工業社会は、コンピュータの普及、電子メディアの急激な発展や各種新素材の出現などにより、人類がこれまで経験したことのないような急激な発展を遂げており、今後もさらに加速されると考えれられます。また、人類の幸福にかかわる環境、エネルギー、福祉など、人と社会を取り巻く多くの問題が発生しています。これらの問題に工学的に対処するには、新たな技術の創成が必要となります。人間の道具である機械を創造する機械工学は、その技術創成のための基盤となる学問体系であり、これを通して人類の幸福に寄与していかなければなりません。

 機械工学は、力学を基礎とした考え方を用いて、機械の開発、設計・製造、材料、生産・加工、制御、エネルギー・環境、知能機械など広い分野の内容を含む学問であり、その範囲は機械・機器の製造から自動車、船舶、航空宇宙、ロボット、プラント・建設、電気・情報機器、医療福祉機器など、あらゆる産業分野におよびます。その意味からも、機械工学は、科学技術の基盤をなす学問と言っっても過言ではありません。しかし、単にひとつの学問体系を習得することでは、現在の技術革新に対応することは不可能であり、これらを総合的にシステム化した、機械工学を習得することが不可欠となっています。

 このように、機械工学の取り扱う範囲はますます拡大の一途をたどっていますが、表面上の発展に目を奪われることなく、これらの発展を支える本質部分日亜する十分な理解がなければ、将来優良な技術を社会に提供することが出来る能力を持つ、機械技術者を育成することは困難であります。また、豊かな創造性を有する機械技術者の育成は、多岐にわたる機械工学の基礎科目の深い理解に基づいて培われるものと考えられます。

 それ故、機械工学科の教育内容においてもこのような考えから、機械工学の基礎教育に重点を置き、基礎科目の本質部分の十分な理解を図ることを第一目標としています。機械工学科では、機械工学の基礎となる教科を中心に、開発、設計、生産・加工、制御と言った「もの作り」のための根幹的な理論と実践を、初期段階から習得させることを目標としています。そして、それらを実践的に発展させるために、工作実習や設計製図、機械実験などの体験科目を多く取り入れた教育課程としています。さらに進んだ段階の目標として、今後の機械工学の目指す方向を「もの作りのシステム化、情報化」と考え、実践的なもの作りの関連技術を習得させ、機械工業はもとより、あらゆる産業を含めた広い分野で活躍しうる実践的機械技術者の育成を目的としています。

 機械工学科での教育は、単なる機械技術者を育成するだけではなく、一連の教育課程を通して「人間として優れ、創造力・実践力を発揮し、積極的かつ主体的に仕事を進め得る実践的機械技術者・研究者」の育成にあります。機械工学科では、この教育目標の達成のため、実習、設計製図、実験などの体験科目や卒業研究を特に重視し、少人数で各課題・研究に当たれるようにしています。この結果、学生相互および学生と教員間の人間的触れ合いを通して人間的練成がはかられます。そして「機械技術を習得するだけでなく、人間性にも優れた機械技術者」を養成することを目指した教育を行なっていきます。

構成

全体の概要

 機械工学科では、機械・機器の製造から自動車、ロボット、プラント・建設、電気・情報機器、医療福祉機器などの機械工業はもとより、多岐にわたる産業界において活躍できる技術者、研究者を育成することを目的としたカリキュラムを編成しています。教育カリキュラムは具体的に以下に示す教育から成り立っています。

  1. 機械工学への導入教育
  2.  機械の「もの作り」について対象となる機械装置、機器のメカニズムなど十分に理解して入学してきている学生がそう多くない現状において、機械工学の本質的科目の履修を入学時から行っても実質的教育効果は望めません。そこで、専門科目の中にそごう工学科目を設置し、工学的な話題をテーマにした入門的・概論的な内容の科目群を設置しています。入門的な科目は、これから機械工学の基礎・発展科目を履修するためのステップとして、また概論的科目はその科目だけでテーマの全体像が理解できる内容の科目であります。また、工作実習、基礎製図などの実技科目を1年次から行い、見る・触れる・行動することを通して機械工学への興味・面白さを学ぶカリキュラムとしています。

  3. 実践的もの作り教育
  4.  機械工学科の「実践的もの作り」教育は、もの作りの話、生産の仕組み、機械の構成部品、機械の成り立ちなどの「もの作りの導入科目」を1年次より履修することから始まります。また、工作実習を1年次に通年に渡り行い、関連する機械工作法、工業材料、基礎製図など基礎科目を並行して履修します。工作実習、基礎製図などの体験型実践教育を早期に取り入れることによって、全ての学生が初期段階で「もの作り」とは何かを十分に理解できるようにしています。2年次以降では、基礎実験、機械実験、機械設計製図、CADなどの体験型科目を数多く取り入れ、より専門性を高めた人材の育成を目指した教育課程としています。また、機械加工、工作機械、成型加工、品質管理システム、機械設計法などの科目を履修することによって、各種機械・装置の設計から製作までの一連の方法を習得し、機械全般のシステム設計ができる技術が身につくようにしています。さらに、生産活動をする際に必要な安全性や経済性の向上法、高精度・高効率化の手法、リサイクルの手法などを学びます。これらにより、有用な機械技術を社会に提供する能力を持つ実践的技術者を育成するカリキュラムとしています。

  5. エネルギー・環境教育
  6.  熱や流体のもつエネルギーと機械的エネルギーの相互交換理論など「もの作り」に関する基礎理論を学び、ポンプやタービン、内燃機関、冷凍・空調機などのエネルギー機器の性能向上およびエネルギー収支を、工業熱力学、伝熱工学、冷凍・空気調和、内燃機関、流体機械などの科目を通して学びます。また、エネルギー消費によって発生する環境問題へ対応するためにエネルギー環境工学において環境保全システムなどを学びます。さらに、機械の使用過程や廃棄時の安全性および環境問題を解決するシステムを開発するために必要とする、環境安全工学、リサイクルの話などの科目を学びます。これらの科目を履修することによって、機械使用時のエネルギー収支や安全性、環境保全への対応・取り組みができる機械技術者を育成するカリキュラムとしています。

  7. コンピュータ援用教育
  8.  機械工学科では、コンピュータ援用による「もの作り」を学びます。1年次の工作実習では、CNC工作機械の運転・基本プログラミング法を、プログラミング、数値計算法などの科目を学ぶことで機械工学に関連するコンピュータの基礎や応用法を学びます。コンピュータを援用する学問分野は年々拡大し、計算機シミュレーション、CAD,メカトロニクス、計測などの分野で広く利用されています。また、ロボットの制御やメカトロニクス機器の制御、CNC工作機械・機器の制御・運転、機械・機器の設計などにコンピュータが活躍しています。こうしたことから、機械工学科でのコンピュータ援用教育では、メカトロニクスの話、ロボット工学、制御工学、CADなどの科目を通して、コンピュータ制御される機械・機器の設計から生産システムへの計算機応用(CAM)を学びます。さらに力学系科目に計算機シミュレーション技術(CAE)を取り入れ、視覚的からさらに理解する教育を行います。これらにより、機械工学とコンピュータ応用技術をもった機械技術者を育成するカリキュラムとしています。

工作実習

各専門エリアの学習目標

 機械工学科では、機械工学の専門分野を「生産・管理技術を学ぶエリア」「エネルギー利用技術・環境技術を学ぶエリア」「知能機械・機器を設計する技術を学ぶエリア」の3つのエリアに区分したカリキュラムを設定しています。

  • 生産・管理技術を学ぶエリア
  •  各種機械・装置の設計から生産加工、生産管理までの流れを習得し、機械全般のシステム設計ができる技術を身に付けます。さらに、生産活動をする際に必要となる経済性の向上、効率化の手法を学びます。これらの科目を履修することによって、有用な生産加工技術を広く社会に供給できる能力を持つ技術者を育成するエリアです。

  • エネルギー利用技術・環境技術を学ぶエリア
  •  熱や流体のもつエネルギーと機械的エネルギーの相互変換に関する基礎理論を習得し、ポンプやタービン、内燃機関、冷凍機などのエネルギー機器の機械工学についての学習を進めます。さらに自動車や環境問題を解決するシステムを開発するために必要な科目などを学びます。これらの科目を履修することによって、機械使用時のエネルギー収支や安全性、環境保全への対応・取り組みができる技術者を育成するエリアです。

  • 知能機械・機器を設計する技術を学ぶエリア
  • 各種機械、装置の設計に必要な知識や、マイコンやセンサ、モータを利用したコンピュータによる機械計測・制御技術を身に付けます。また、ロボット工学、機械力学などを履修することでロボットや自動制御の設計およびこれらの製造現場への応用技術を身に付けます。これらの科目を履修することによって、コンピュータを利用した計算機援用設計や数値解析技術と結果の評価技術、および自動化技術を習得し、コンピュータを用いた知能機械設計や設計の自動化ができる技術者を育成するエリアです。

 これらのエリアの選択によって、勉学に対する学生のニーズの多様化に対して幅広く対応できるカリキュラムとしています。

卒業研究・卒業演習

4年次では、卒業研究および卒業演習を1年間通して行います。

卒業研究発表会

教育目標