社会貢献活動報告書2022
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※川岸の高圧洗浄前にヤゴ(トンボの幼虫)が生育できる場所に避難させる活動 大和市泉の森のヤゴ救出活動※に同行し、実習終了から現在に至るまで10年以上も活動を継続している元実習生にお話を伺いました。 社会貢献活動実習を履修したきっかけは? 2年の時に友達に誘われたことと、もともと自然や生き物が好きだったので、「引地川の環境保護」なら好きなことで単位が取れると思い履修しました。やってみるとボランティア団体は、ただ黙々と川のごみを拾っているだけではなく、イベントにして楽しもうとしていたり、周りに知らせようと意義を持って活動していることが分かり、見方が変わりました。社会貢献活動2では、トンボの調査を行いました。 印象深いエピソードは? 実習生として、活動紹介のためにFM大和にラジオ出演しました。「冒頭で頭が真っ白になりうまく話せなかった。でも一度これほどの舞台を経験したら今後は冷静にできるだろう」と(報告書に)書いていますね。 中間期レポートでは、「コミュニケーションが苦手で、その場にいるだけで憂鬱」とありましたが、終了時には「劇的に良くなった、大きく成長した」とあり、担当者も「突出したコミュニケーション力」との評価でした。変化のきっかけは? もともと一人で行動するタイプだったのに、社会に出たら人に合わせなければならない、自分を変えなきゃと頑張っていた時でした。特にきっかけはないのですが、それぞれの人となりが分かり慣れてきて話しやすくなりました。また活動がイベントだけでなくトンボ調査など自分の得意な分野になってきて、花開いた感じです。今は、そのままの自分を受け入れています。 実習終了後も活動を続けている理由は? 一度始めたら投げ出さない性格なんです。当時の受入れ団体の「川と海の環境を守る会」が主催した生き物採集イベントがあり、得意なの20周年特集実習テーマ 「引地川の環境保護」 2010、2011年度履修 清水頭 佑人さん(マテリアル工学科/当時) 「柳と遊ぼう引地川」 飯塚 栄子さん 36 でたくさん採りました。その時に今、一緒に活動している飯塚さんに出会いました。 (飯塚)もともとハグロトンボの調査を続けていたのですが、他のトンボの調査もしたいと思っていたところに、ちょうど「僕得意です」と清水 頭君が現れたんです。天から降ってきた青年で したね(笑)そこからずっと一緒にやってくれています。なくてはならない存在です。 学会発表や雑誌掲載もされましたね? 卒業後2015年に昆虫学会で発表しました。論文をまとめたのは別の大学の先生ですが調査データの提供者として参加しました。本当はもっと自分の言葉で伝えたかったです。また「大和市引地川のハグロトンボ個体群はどのように回復したか」の題で雑誌「昆虫と自然」(昆虫と自然編集委員会/2015.3)に掲載されました。 (飯塚)大和市で発行した「大和の自然ハンドブック」のトンボ版も、清水頭君が作成に関わっています。地域の調査データに基づいているので、とても好評です。 実習はあなたにどんな影響がありましたか? 4年次は、人工腎臓の膜の研究をしました。生き物つながりで、人体も好きだったので、自分の興味の延長でできました。卒業後から現在まで、家電量販店の販売員をしているのですが、実習時にコミュニケーション能力を鍛えられたからというのもあります。でもやはり分析や研究で一つのことに没頭する等、そろそろ好きなことを仕事にしたいなという気持ちもあります。 最後に後輩へのメッセージをお願いします 僕はそれまでアルバイトをしたことがなかったので、社会貢献活動実習をしてみて、社会のしくみや団体を運営している人の思いを肌で感じることができ、視野が広がりました。また活動で出会った人との会話から、知らなかった仕事も知れて、将来の判断材料にもなりました。皆さんも興味があれば是非やってみてください。 ありがとうございました。ますますのご活躍を! 実習終了後の「あの人は今」

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