社会貢献活動報告書2022
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6 なぜ、「豊かな人間性や発想力」や「社会に貢献すること」が大切なのでしょう。それは、 私たちのすむ社会がグローバルにつながり、見えないところで相互に影響しあっている 「大学」では何を学べばいいのでしょうか。高校と違い、どんな科目を履修するかも自分次第、余った時間を何に使うかも自由。これまでのように決まったレールをたどるやり方ではないため、戸惑う学生もいるでしょう。大学は、社会という大海に出ていくためにさまざまなチカラを養う場であり、また自分に秘められたチカラに気づく場でもあります。失敗してもいい。そこから何を学ぶか、が大事です。チャレンジした分だけ自分の中の何かが変わります。 1. 「社会貢献活動」ってなんだ? 2. 大学で何を学ぶのか 3. 変化のなかでどう生きるか 4. 「社会貢献活動」の教育目標 「社会貢献活動」とは、持続可能な社会の実現のために活動する学外の市民団体や施設などで50時間以上の実習を行って単位を取得する授業科目群です。自分のもつ力を引き出しながら、地域の課題について一緒に考え、体を動かしたりすることで、社会人としての実践的なチカラを習得し、人間的な成長を目指すプログラムです。本学は他大学に先駆けて開講しており、今年度20周年を迎えました。 「社会貢献活動」には、始めに取り組む「社会貢献活動1」と、「1」を履修した後に同じ活動分野を自主企画などでさらに深める「社会貢献活動2」があります。これらの科目は学期をまたいで履修を続けることができます。後期も開講予定ですが履修可能な実習テーマが限られますので、希望者はまず前期に検討することをお勧めします。 本学は、「社会に貢献する技術者の育成」をミッション(使命)としています。工学や情報など専門知識や技術を学ぶことはもちろんです。しかし、学びを活かすためには、豊かな人間性や発想力を兼ね備えたバランスのとれた人材になることが大切です。この「豊かな人間性や発想力」を育むためには、「社会貢献活動」のように、実際に学外に出ていき、体験・体感することが大切だと考えています。 という現実があるからです。既に、社会の変化や技術の発達などによって世の中の仕事や 暮らしのあり方は大きく変わってきています。気候変動や紛争、貧困など世界がさまざまな課題を抱える中で、君たちは市民社会の一員として一人ひとりの選択と行動が求められているのです。あと10〜20年もしたら、今ある仕事の半分近くは職業として成り立たなくなると予想する人もいます。こうした変化に適切に対応し、自ら生きる力を養うとともに、社会のニーズを学び応えられる人材が、今求められており、それが「社会貢献活動」の第一の目標です。 「社会貢献活動」は、単なるボランティア活動ではありません。授業として「社会に貢献できる力」の習得を教育目標としています。具体的には、周りの人々と意思疎通を図り(受け取る力・つなげる力)、協力して活動し(進める力)、目的を達成していくために必要な力(深める力・高める力・伝える力)などの社会人基礎力を磨くことです。さらに、自分が社会に出た時にどんなことができるのか、また何を期待されているのかを知る機会になります。自分の将来を具体的に考えるきっかけとなり、そこから大学で学ぶ目的や目標が改めて見えてくるかもしれません。技術者として、また人としてどうあるべきか、という基本的な事を実践を通じて学び、変化に対応できる人間性の形成を目指しましょう。 社会貢献活動のあれこれ

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