2024年度 調査報告書
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活動の運営は、株式会社川崎フロンターレが事務局を担い、予算も同法人が全額負担している。ボランティアの募集は年1回の更新制にしており、毎年1月頃に募集開始し、仮登録後にオンライン説明会を実施。初回の活動は研修を兼ね、スタッフや先輩ボランティアがOJT方式でサポートする。2回目の活動参加後に本登録とする丁寧なオペレーションの仕組みが構築されている。ホームゲームの活動以外の地域で行うボランティア活動などは活動案件ごとに対応しており、発生都度、事務局から活動の案内・募集をして対応している。 また、特徴的な運営方法として、ボランティア活動時は事前の細かい決定を減らし、当日柔軟に配置を決定していくとともに、ボランティアにはあえてマニュアルを作らず、都度の説明に注意を払い、臨機応変に対応できるスキルを身に付けてほしいという考えのもと、このような運営方法を取っている。また、ホームゲームなどのボランティア活動においては、活動場所を固定せず、毎回さまざまな役割を担えるよう、クラブ側の事務局が流動性を意識したマネジメントを行っている。 ステップ 募集・申込 説明会(仮登録) 新規研修(OJT) 本登録 ボランティア活動の円滑な運営と人材育成を目的として、「チューター」と「リーダー」制度を導入している。この制度は、ボランティアの活動の質を高め、継続的な人材確保に寄与している。 チューターは各活動現場で、チーム職員とボランティアの間に入って、ボランティアが円滑に活動できるようにサポートする役割を担う。新しいチューターは、既存のチューターからの推薦を基に、チーム職員が任命する。現在、10人のチューターが活動している。チューターの候補者として現在15人ほど挙げており、交代時には、若い世代を積極的に抜擢し、次世代のリーダーを育成する体制が取られている。リーダーは、各業務の中心となり、他のボランティアを率いて活動を進める役割を担う。活動中にトラブルが発生した場合は、スタッフやチューターと連携して問題解決に努める。リーダーの任命はシーズンごとに固定せず、試合の前日にチーム職員が決定する。年齢や肩書に関係なくコミュニケーションが取れる人をリーダーに選定しうる。これにより、多くのボランティアがリーダーとしての経験を積むことができ、組織の柔軟性と活力を保っている。1つのイベントでは、12~13人程度のリーダーが任命されることが多い。 テーマ ・ Jリーグのシーズンが始まる3月に備えて、同年1月頃にボランティアの募集を開始(1シーズンごとの登録制で、継続のボランティアも再登録してもらい説明会にも参加して頂く) 24 (1) 「チューター」と「リーダー」制の導入よる人材の確保と育成 運営方法 ボランティア人材の確保・人材育成および活動の継続 <ボランティア募集~活動までの流れ> ・ 主に、ウェブサイトやチラシで募集するとともに、市の広報誌などにも掲載 ・ まずは仮登録の段階で説明会をオンラインで実施(1月~8月までの期間定期的に説明会を開催) ・ 活動内容や当日の流れ、ボランティアの心得・禁止行為、チューター制度・リーダー制度、リーダーの役割、ボランティア専用サイトの登録・活用方法などを説明 ・ 初回の活動は研修を兼ねて実施し、研修では、実際の活動をフロンターレのスタッフをはじめ、チューター(ベテランの先輩ボランティア)がサポートして、OJT方式で実施 ・ 2回目の活動に参加した時点で本登録へ移行

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