チューターやリーダーの研修は、形式的な講習ではなく、OJTを通じて実施される。この方法により、実際の業務を通じて役割を学び、経験を積みながらスキルを向上させることができる。チューターやリーダーには一定の権限が委譲されているのが特徴であり、このことが責任感と自信を育み主体性のある活動につながっている。高校生や大学生がリーダーを務めることもあり、若い世代にリーダーシップの機会を提供することで、組織全体の活性化にも貢献している。 このように、川崎フロンターレのボランティア組織は、チューターとリーダーの役割を通じて、ボランティアのスキルアップと人材の育成を進め、組織の持続的な発展を支えている。 川崎フロンターレでは、ボランティア活動の継続を促すため、感謝を伝え、交流を深めるさまざまな施策を実施している。その一つが「ボランティア納会」であり、シーズン終了後に監督や選手、スタッフがボランティアに感謝の意を表す場となっている。納会では、選手との会話や写真撮影、サインの機会があり、活動継続の大きな動機付けとなっている。この納会への参加には、活動の内容や回数に応じてポイントが付与される「ボランティア活動ポイント制度」が関係している。一定のポイントを達成したボランティアが参加できる仕組みとなっており、活動への積極的な関与を促している。 また、日頃の労をねぎらう「慰労会」も年4~5回開催され、スタッフとボランティアが気軽に交流できる機会となっている。さらに、ボランティア同士のつながりを深めるために「ボランティア交流会」が自主的に開催され、バーベキューや遠足、ボウリング大会、フットサルなどのレクリエーションを通じて、活動を超えた関係性が築かれている。 これらの支援施策により、ボランティアはクラブとの一体感を持ち、仲間との結びつきを強めながら、継続的な活動への意欲を高めている。クラブ側の感謝の姿勢と、交流の機会の充実が、ボランティア活動の持続性を支えている。 クラブ事務局がコーディネートしながら、自治体や地域団体、企業と協力し、地域イベントや福祉的活動を積極的に支援している。また他のスポーツ競技団体の活動支援などの機会も持つ。クラブが持つ豊富なネットワークを活用し、多様な活動の広がりがランティア自身も新たな経験を積み、スポーツへの関わりを深める機会を得ている。さらに、地域社会とクラブが一体となることで、クラブが目指す「ホームタウンとの融和」を実感しながら、より豊かなスポーツ環境の醸成にも寄与しているとともに、多様な組織と連携しながら、地域社会との結びつきを強化し、ボランティア活動の意義をさらに高める役割を果たしている。 医療機関(市内小児病棟)川崎市自治会・町内会商店街幼稚園・保育所各種スポーツ競技団体(2) 活動の継続のための方策 他組織・他分野組織とのネットワーク (株)川崎フロンターレ(クラブ職員)チューター10人(2024年度)登録会員340人(2024年度)連絡会議・クラブ職員とボランティアの仲介的・コーディネート的役割・ボランティアのOJT・ボランティア活動・活動予算負担・会員の募集・登録・管理・説明会・研修会の開催・チューター・リーダー管理・自治体・地域との調整・活動時のリーダー・ボランティア活動・区民際、市民運動会支援ボランティア活動の連携・支援・イベント支援・イベント支援自治体・地域の要望に応じてボランティアを派遣・イベント支援・イベント・ブルーサンタ訪問運営主体・活動メンバー自治体・地域<連携体制> 25
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