2024年度 調査報告書
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新たなボランティアの参画促進と、高齢化・固定化といった課題の解決策として、2014年から「中高生スポーツボランティア育成講座」を実施している。この講座は、将来的にスポーツイベントを支える若年層の人材育成を目的とし、特に東京オリンピックや国際大会などの大規模イベントで活躍できる人材の基盤づくりを重視している。 講座では、スポーツマネジメントやボランティア論を学び、スポーツイベント運営の基礎を習得する。さらに、ベガルタ仙台、東北楽天ゴールデンイーグルス、仙台89ERSなどの地域スポーツチームと連携し、実際のボランティア活動を体験する機会を提供している。 修了者には認定バッジや修了証を授与し、スポーツボランティア活動証明書を付与している。この取り組みは、地域のスポーツ活動における新たなリーダー層を育成する基盤となっており、未来のスポーツボランティアの発掘・育成に向けた重要なステップとなっている。 現在も継続して開催されている「中高生スポーツボランティア育成講座」は、2014年に文部科学省事業として実施された育成効果の検証結果を基に発展してきた。講座を通じて若年層のボランティア参加が促進され、継続的な活動を希望する参加者も多くみられた。また、既存のボランティアも学習や交流の機会を得ることで活動意欲が向上し、若年層との交流が組織の活性化につながる効果も確認された。 講座に参加した中学1年生から高校3年生の動機としては、「ボランティア活動に興味がある」が7割、「東京オリンピック・パラリンピックでの活動に興味がある」が3割を占め、スポーツボランティアへの関心が高い若年層の存在が明らかになった。さらに、講座を修了した中高生の多くが活動の継続を希望し、中にはすでにボランティア活動を行っている修了生もいる。 この成果の背景には、SV2004とグランディ・21ボランティアが培ってきた運営ノウハウと、トップスポーツチームとの連携による体験活動の場の提供が大きく寄与している(図表5)。 資料:笹川スポーツ財団,2015 (1) 新規ボランティア人材獲得と人材育成のための方策 ① 中高生を対象としたスポーツボランティアの育成 ② 「中高生スポーツボランティア育成講座」の効果検証と成果 図表5 中高生対象のスポーツボランティア育成の仕組み ボランティア人材の確保・活動の継続・リーダー人材の育成 31

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