学報74号
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03新カリキュラムで、専門性と社会人としての基盤をつくる教員同士が協力し、5年後10年後を視野に多様な経験を通して自立心を養う社会に役立つ技術者になるとは本学では、主体的な学びを促すアクティブラーニングを取り入れた学修システムにより、社会で役立つ実践的な知識と技術をしっかりと身につけることのできる、新しいカリキュラムを2017年度から始動させています。その中心となる科目『共通基盤ワークショップ』は、学びに向き合う姿勢を固め、大学での学修をより有意義なものにするとともに、将来にわたって成長し続けることのできる素地をつくります。大学の施策は、すぐに結果が出るものではなく、5年先、10年先を視野に入れて考えなければいけません。社会が複雑化し、学生の学びの方向性が多様化する中で、教育の基本方針はしっかりと定めながら、幅広い学修内容とそれに適した学修方法を提供していくことが必要であり、そのためにも教員間の意識共有と連携がこれまで以上に大切になります。学生の好奇心を刺激して興味や関心を広げ、実際に手を動かす工学部らしい経験を通じて、主体的に課題を見つけ解決していく力を伸ばせる教育を、さらに推進していきたいと思っています。湘南工科大学は教育改革に注力し、社会に役立つ技術者の育成に邁進しています。社会に貢献できるには、自立心を持って課題に取り組む姿勢が大切です。一朝一夕で培われるものではありませんので、日々の学びの中で養われるように指導しています。教員が一方的に教えるのではなく、学生と接する時間を長くすることで、議論を重ね、ともに研究しているという意識が生まれます。自分から動く率先力を育むことが一つの目標です。また、学部生の頃から学会発表に参加することは敷居が高いですが、修士課程では積極的に自身の研究を知ってもらうために、学会発表も重要となります。外に出て発表することで多様な人々と交わり、視野が広がりますし、開催地など知らない風土に触れて見聞を広げるのも良い経験になるでしょう。私は情報工学系が専門であり、民間企業に勤めていた経験から、IT企業との関わりが強く、学生には就職後のビジョンを持つ大切さも伝えています。一方で、大学全体の教育改革が進み、卒業生の定量的なデータも取れ始めたことで、統計データに基づいた指導をする基盤もできました。その基盤を学生には目一杯活用してもらい、社会で役立つ技術者になるという趣旨をよく理解し、多彩な経験をして羽ばたいていってほしいと願っています。副学長/工学研究科長渡辺 重佳工学部長 木枝 暢夫

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