学報78号
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学生が主体的に学ぶアクティブラーニングを展開学科の枠を越えた学びを拡大SHONAN INSTITUTEOF TECHNOLOGY学長学長の渡辺です。新年度のご挨拶と本学の取り組み、これからの展望について申し上げます。本学が目標に掲げているのが、「社会に貢献する技術者の育成」です。この目標に向けて、2013年度から教育改革を進めています。授業の質向上のための主要な取り組みは、アクティブラーニング(AL)です。例えば、グループワークやプレゼンテーションを含む授業は、すべての科目のうち96.4%に及びます。入学当初は不安そうな面持ちでプレゼンテーションに臨んでいたものの、授業で鍛えられ、たくましく成長した学生を数多く見てきました。授業評価アンケートでは、「能動的に学習しているか「」能力を身につけることができたか」などの項目で学生からも高い評価を得ています。一方で、どんなに質の高い授業を実施しても学生が出席しなければ意味を成しません。そのため、本学ではIC端末を用いた授業の出席管理を厳格に行っています。1コマ×16回の授業の場合、約3分の1に相当する5回欠席で単位が取得できないという多少厳しめな取り決めです。しかし、出席率と成績には正の相関関係があることがデータ上判明していることから、こうした措置を取っていることをご理解ください。出席率の高い学生は、成績や単位取得数はもちろん、就職まで良好なのです。近年力を注いでいる取り組みの一つが、2年次以降の成績優秀者が履修可能な「学科横断型学修プログラム」です。現在、注目を集めている数々の先端技術は、いくつもの分野の英知が複合的に02活用されて発展しています。こうした先端技術の学修に意欲的な学生のため、所属する学科で専門性を深めながら他学科の関連科目も履修できるプログラムとして、「XRメディア」「ロボティクス」「AI」「IoT」の4コースを開設しています。例えば、ロボットについて学ぶのは機械工学科の枠内で学ぶのが一般的でした。しかし最近のロボットは、非常に学際的です。高度なプログラミングもできないとロボットの精密な制御が実現できません。そのため、ロボティクスコースでは機械の構造については機械工学科の授業、制御については情報工学科の授業といったように学科を越えた学びを実現しています。自分が学びたいテーマのためには「どういった分野の学習が必要なのか」と、学生が主体的に考えながら学ぶコースでもあります。学科横断型学修プログラムは、今のところ2年次以降の学生を対象としていますが、意欲的な1年次生も参加可能な仕組みを検討しています。本来は基礎を固める段階の1年次生ですが、すでに追究したいテーマを見つけている学生も珍しくありません。そうした意欲をくみ取り、今後は、プロジェクト型授業を通じて、自ら学ぶ課題解決型教育を進めていきたいと思います。2019年度・2020年度入試における志願者数が数年前の3倍近くに増加するなど、本学の教育改革と学生支援に向けた取り組みへの手応えを感じております。今後は湘南地域に貢献する施策の立案・実施についてもこれまで以上に推進していきます。新型コロナウイルスによる感染症が世界的に猛威を振るっており、私たちの日常生活にも多大な影響を及ぼしています。こうした中、本学の教育・研究について可能な限り維持しようと努めている教職員と学生諸君に感謝するとともに、皆さんの健康と安全に配慮した大学の運営に今後も注力していきます。THESHONAN渡辺 重佳

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