学報84号
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02SHONAN INSTITUTEOF TECHNOLOGY科学技術の光と影を踏まえた理工系人材に育って欲しい自分の頭で考えるための教育メソッドを展開寄付金についてのご報告2学部体制で期待できる多様な「学び」と「気づき」先頃OpenAI社が生み出した最新のAIチャットボット「ChatGPT」は、あたかも人間が受け答えするような文章を創出し、私たち人間に科学技術の進化を示してくれます。このケースに象徴されるように、科学技術の輝かしい発展は我々の想像を上回る勢いです。一方で、2011年に発生した福島第一原子力発電所事故は多くの被害をもたらし、今なお解決に至らないなどさまざまな問題点を私たちに突きつけています。こうした事例は、科学技術は発展さえすればよいというものではないことを私たちに教えてくれます。工学は基本的に人のためになることを追究する学問分野です。本学で学ぶ学生諸君には、こうした科学技術の光と影をしっかり踏まえ、自分の頭で判断し、より良い行動ができる理工系人材に育っていただきたいと思います。自分の頭で考えるには、トレーニングが必要です。本学では、アクティブラーニングを展開し、その中核に「共通基盤ワークショップ(WS)」を据えています。共通基盤WSは、20~40人程度の少人数クラスで、さまざまなテーマについて考えるグループワークやプレゼンテーション、プロジェクト型学習(PBL)な令和4年度に募集しました寄付金についてご報告いたします。大学では、総額255万円のご寄付を頂戴し全額を奨学金資金の充実に使用させていただきました。高校では、総額189万円のご寄付を頂戴し、全額を施設設備の充実に使用させていただきました。ご協力いただきました皆さまに心より感謝申し上げます。今後とも、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。どを徹底して行うことで、学生はアクティブラーニングに対する意識と技能を身につけ向上させます。さらに、協働力やコミュニケーション力など、座学の授業だけでは伸ばすことが困難な社会人基礎力を高めます。そうした中で、自分と他者との違いを認め、互いの個性を伸ばしていっていただきたいと考えます。また、学生と教員の距離が近い点も生かし、疑問があれば相談するなどコミュニケーションを活発にして自らの知見を高めていって欲しいですね。本学は今年度から工学部と情報学部の2学部体制になりました。これまで以上に多様な学生が集まることとなります。ニュース一つを見ても、自分はこう受け止めたとか、自分は全然興味なかったところに興味を持っている人がいるんだなど、多様な学生同士での学びで気づくことがいっそう増えていくのではないでしょうか。そこから生まれるさまざまな学生諸君の「気づき」、さらにはそこから始まる「学び」に期待を寄せています。従来技術に加えデジタルやグリーンなどの成長分野を担う理工系人材の不足が叫ばれ、政府も積極的な対策を進める中で、本学の工学部と情報学部はどのように貢献できるのか。2学部体制となった今年度からの取り組みにどうかご注目ください。学 長木枝 暢夫THESHONAN

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