学報81号
9/16

09インタラクティブアート 自分の興味・関心のある分野を見極め、技術を組み合わせて制作した作品で社会に貢献できます。私たちの取り組みを発表する場も広がり、今年は東京ゲームショウ2021にも出展。人とコンピュータの関係を快適にする研究を進め、それを実現した世界を目指します。近い将来、テーマパークのアトラクションが大きく変わるかもしれません。感性デザインバーチャルリアリティ 将来的には、AI技術によるデザイン開発やVR技術に対する応用へと発展させていきたいと考えています。本研究室のテーマは日進月歩な領域なので、それらをタイムリーに研究に取り入れていくことが大切です。学生たちが新しい技術を身につけられるよう、これからの社会に貢献できる人材育成のために取り組んでいきます。エナジーハーベスト電気熱量効果 IoTシステムで使われるセンサーネットワーク素子を電源のない場所に設置することを考える場合、電源を確保するためのコストがかかります。電源をケーブルでつなぐ必要のないエナジーハーベストは、IoTの実用化の基盤となる技術です。クリーンであることを生かし、産業と技術革新の基盤を構築し、安全な未来社会に貢献することを目指します。ヒューマンインターフェースタイムアクシスデザイン冷却素子THE SHONANKeywordsKeywordsKeywords情報技術を応用し、幅広い表現活動にチャレンジ ユニバーサルな高度情報化社会の到来に備え、情報弱者がコンピュータや機械に振り回されず、「必要な時に楽に情報のやりとりができる」情報技術の研究を行っています。 自然な環境音を利用した情報取得、キーボードを使わないコンピュータ操作、情報提示の新たな形態やツールの開発など、福祉情報や感性工学が主な研究テーマです。 本研究室とコンピュータ応用学科のカリキュラム「TPL(チームプロジェクトラーニング)」では、さまざまな技術を融合したメディアアートを展開。学生それぞれの趣味嗜好に合わせてCG(コンピュータグラフィック)、プロジェクションマッピング、DTM(デスクトップミュージック)、短編映画などの制作に取り組める環境、発表の場が整っています。人がモノを選ぶメカニズムを解き明かす 「感性デザイン」、「VR(仮想現実)」、「インタラクティブデザイン」の3つの領域を柱として研究教育を進めています。 感性デザインでは、材料の色や柄、表面性状などを含むテクスチャにおける視覚や触覚の評価という心理特性と具体的な設計パラメータである物理特性の関係を解明することで、テクスチャ開発への応用を図っています。VRは、昨今のリモートワークの増加に伴い、今後の発展が期待されています。VR技術発展に先駆けて、ユーザーの現実の容姿・外観をVR空間内に投影するビデオアバターの研究を進めています。インタラクティブデザインでは、ロボットによる多言語案内コミュニケーションの研究に取り組んできました。今後はIoTに関する研究にも着手していく予定です。資源の少ない国「日本」 環境エネルギーから発電 電線がない場所への電力供給には、電池切れやコストなどの課題があります。本研究室は、焦電効果、圧電効果、熱電変換などを利用して、環境内にある振動や熱などの環境エネルギーから電気エネルギーを得るエナジーハーベストを研究しています。日々の暮らしから電力を生み出せるエナジーハーベストは、地球に優しく、配線や電池交換の必要がないエネルギー活用技術として今注目を集めています。 また、電子機器などの冷却に適した新たな方法である電気熱量効果や弾性熱量効果を利用した冷却システムも研究しています。電気熱量効果は、電場をかけることにより強誘電体の温度が可逆的に変化する現象です。ほかにも、セラミックスや高分子の強誘電体を使った冷却器の試作や温水から動力を得る形状記憶合金モーターの開発も進めています。コンピュータ応用学科本多 博彦 教授[ 研究テーマ ] 情報福祉社会に向けた人とコンピュー総合デザイン学科松岡 慧 講師[ 研究テーマ ] 感性デザイン、バーチャルリアリティ人間環境学科眞岩 宏司 教授[ 研究テーマ ] エナジーハーベストと電気熱量効果をタのやり取りを支援する研究タイムアクシスデザイン利用した冷却素子

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る