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総合デザイン学科 松岡 慧 講師


デザインを科学の力で解き明かす

[研究テーマ] 感性デザイン、バーチャルリアリティ、タイムアクシスデザイン

感性とVR、時間変化に対応するデザインを考える

芸術系や材料計画やシステムデザインなどの工学まで、幅広く専門領域の学問を修め、工業デザインを担う企業で実務経験を積んできました。
現在は「感性デザイン」「バーチャルリアリティ(VR)」「インタラクティブデザイン」などのテーマを研究の柱としています。モノを見たり、触れたりすることで「温かみがある」「無機質に感じる」———このように、人がモノに対して感じる「質感」や「手触り」をテクスチャといいます。このテクスチャと実際のモノづくりにおける物理的なパラメータにはどのような関係性があるのか、明らかにしようという試みが感性デザインです。
VRでは、ユーザの現実の容姿や外観をVRに投影するビデオアバター技術の研究に取り組んでいます。インタラクティブデザインは、時間の変化に応じて外観が変わるデザインです。一例として、メールの送受信の頻度によって連絡先のアイコンの見た目が変化するメールソフトをイメージしてください。連絡が密な相手のアイコンは大きく、逆に疎遠になった相手のアイコンは小さく変化する———こうした楽しいデザインについて研究を進めています。

官能評価と物理的特性の関連性からデザインを科学する

従来は職人の勘や文字通り「感性」に委ねられていた領域を科学的見地から解き明かそうというのが感性デザインです。
素材となるテクスチャも、「温かみがある」「高級感を感じる」など、見た目からさまざまな評価を被験者は下します。一人ひとりの感想は多様ですが、一定数以上の評価が集まれば「なぜ温かみや高級感を感じるのか」を示す科学的データの根拠となるのです。
次のステップは、テクスチャの物理的特性を探ること。当研究室では、例えば、モノに光を当て、分光測色計などで多角的に光学特性を計測し、官能評価で得た心理特性との対応関係を解明します。
これらの知見により、温かみや高級感のあるデザインを科学的に創造する新しいステージが開けるのです。

AIによって人知を超えたデザインを創造する

テクスチャと材料が持つ物理特性との対応関係が明らかになれば、モノづくりの制作工程は飛躍的に短縮できます。自動車であれば、実際に作る以前にVRの仮想空間上で外装・内装を作り、室内灯などさまざまな光源や環境下での見た目と耐久性能を高い精度でシミュレーションすることも可能となります。
応用範囲は自動車にとどまらず、あらゆるジャンルに波及するでしょう。それらにより、国として進めているインダストリー4.0に対応可能な、モノづくりの製造工程が大幅に削減可能となり、コストカットが期待されます。

将来的には、感性デザインのノウハウを学習したAIの開発も可能でしょう。AIは学習によって人間が思いもつかない取り組みも実現可能にする存在であり、さまざまな分野にて、既に人知を超えた領域へと発展しつつあります。感性デザインの研究が進めば、AIによってこれまでに人が成し得なかったデザインだって創造できるかもしれません。
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