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工学部総合デザイン学科
Multidisciplinary Design Science
モビリティ×モノゴト
クリエイティブに未来社会へ貢献
「モノ」と「コト」を
「モノゴト」として捉える
昨今、デザインの貢献領域は「モノ」の形状から「コト」へ、さらには、その先の社会的な「意味や意義」へと拡がっています。本学科のプロダクト/モビリティデザイン分野では、「モノ」と「コト」を切り分けず「モノゴト」として包括的に捉える視点を大切にし、未来社会への貢献と感動を共有できる乗り物の研究に取り組んでいます。
また、企画立案から顧客の課題を定義し、解決策を見出すデザイン思考に軸足を置きつつ、感性や直感、想像力を重視する視点からアート思考の発想プロセスも取り入れて、新しいアイデアの創造を推進しながら問題にアプローチするクリエイティブな手法を探究しています。
具体例として、鈴木浩教授が企業在籍時に手がけたリアコンビネーションランプがあります。万華鏡をヒントに、従来の万華鏡には無い多重反射で立体的に映し込む効果により新たな構造を発明し、意匠登録だけではなく技術特許も取得しています。このデザインによってLED光源を減らし省資源、省電力を実現しました。環境に優しいだけではなく、安全や危険を知らせるランプが美しく輝くことで豊かな生活に寄与するとして、2011年にグッドデザイン賞を受賞しました。モノからコト、その先の社会に貢献したといえるデザインです。


特別講座を通じて専門スキルを向上
本学科では、1・2年次は工学の知識・技術を基礎から学ぶとともに、「プロダクトデザイン」「空間デザイン」「エンジニアリングデザイン」の3分野のデザインを横断して学ぶカリキュラムを展開します。特定の視点に偏らない、幅広い視野・視点の確立を目指しています。クルマのデザイン一つをとっても、例えばエクステリアには建築的要素、インテリアには空間デザインの知識、車両の構造やレイアウト全般にはエンジニアリングの知識が必要となってくるからです。更に車内には運転者を支援し、乗員を楽しませるUI/UXのエンターテインメント性や家具的な快適性、照明、カラーリング、素材、感性・人間工学の要素等が含まれます。
一方で、専門性を高める特別講座として「モビリティスケッチ講座」を開講しています。ラフスケッチやレンダリング(デザインプロセスにおいてデザインの方向性や完成形を示すために描かれたイラスト)の技術的な指導を通じて、立体を捉える基礎力や視覚伝達スキルの修得を目的としています。講座を通じて、「形状の立体構築や人が乗った時のバランスなど、モノだけではない表現と視点を持つ意識が生まれた」「視野が広がった」「全体の構造を理解しながら描き、なぜこの形なのか分かって楽しかった」など、受講生にとって新たな気づきや課題を得る機会となっています。


社会実装を目指す
早い段階で将来像を描き卒業までの目標を明確にすることは、知識や技術をより深く自分に落とし込む近道になります。そのためには、多くの社会に触れ、知ることが重要です。本学科では地域連携や産学共同プロジェクトヘの参画、企業による特別講義の開講など実社会と学生との接点を積極的に提供し、学生が社会に価値を生み出すことへのモチベーションを育んでいます。
2024年10月には、産官学民の共創体制であるのFujisawaサスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST) コンソーシアム(代表会員パナソニックグループ)に学術会員として参画しました。同コンソーシアムが藤沢市で展開する街づくりプロジェクトFujisawa SST のなかで、今後は、移動課題に向けたモビリティ単体のデザイン開発だけではなく「人と人を繋げる」ためのモビティデザインの研究を進めていく予定です。
また、同年12月には自動車用ライトの世界的なトップメーカーである株式会社小糸製作所より講師を招き、「ライティングデザイン」をテーマに特別講義を開講しました。同社のデザイン部門における先行開発の取り組み事例や試作モデルなどが紹介され、学生が製品づくりの知見を深める機会となりました。このような活動は今後も三菱重工、GK Dynamics、ヤマハ、トヨタ自動車、シャープなど、多岐に亘る企業とも計画しており、これまで以上に企業連携を推進していきます。
X-Tech LaboratoryLaboratory
【 未来を創造する研究室がここにある 】工学部 総合デザイン学科
鈴木 浩 教授
各社での経験を通して思うのは「工学知識・技術を持ったデザイナーは強い」という事です。モノの構造や動きなど、仕組みを理解していると、カタチの必然性に気づき、新しいデザインの創造につながります。私が実践で得た知見や技術を本学科の学生に伝え、理念とする「機能・性能からデザインする」を共有し、共に未来のモビリティを探究し続けていきたいと考えています。そして、「社会に貢献する技術者の育成」という本学のミッションに向けて指導を続けます。
趣味はキャンピングカーの旅です。時間に縛られない自由な旅を楽しみ、アウトドアも満喫しながら、クルマが人々の喜びや幸せを生み出すことを実感しています。また、最近では二級無人航空機操縦士や一級小型船舶操縦士の免許も取得して活動の領域を更に拡げています。
研究テーマ
未来社会とモビリティのデザイン
専門分野
モビリティデザイン、プロダクトデザイン、デザイン思考