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02Mechanical design engineer

機械設計エンジニア

外山 茜さん
Toyama Akane
日本発条株式会社ばね生産本部 製品設計部 設計技術課
工学部 機械工学科 2022年3月卒業

“車載ばね”という見えない一つの部品で
車と命を支えています。

Question 1 現在のお仕事の内容を教えてください。
車の安全を支える、ばね設計の仕事

日本発条株式会社にて、ばね生産本部 製品設計部 設計技術課に所属し、主に自動車用のコイルばねの設計を担当しています。コイルばねは車の足回りに使われる重要な部品で、走行時の振動を吸収し、快適性や安全性を支える役割を担っています。今後は、スタビライザと呼ばれる車体の傾きを抑える部品の設計にも携わる予定です。
設計業務では、お客さまから「この荷重に耐えられるばねを」「このスペースに収めたい」といった条件が提示されます。それらを満たすために、ばねの形状や寸法、材料特性を考慮しながら設計を進めます。計算や解析は専門の解析チームが担当しますが、どのような解析を行うかを設計側が指示し、結果についても自分たちで確認します。会社独自の計算ソフトや解析ツールを使い、数値の妥当性を判断することも重要な仕事です。
前職では、設計を一から考える機会が限られていましたが、転職後は「どういう設計にするか」を自分で考え、スケジュールを立て、他部署と連携しながら進める立場になりました。責任は増えましたが、「設計をやっている」という実感が強くなり、やりがいも大きくなっています。
車載部品は人の命に関わるため、厳しい品質基準が求められます。その分プレッシャーもありますが、日本発条が車載ばねで高いシェアを持つ理由を、日々の設計業務を通して実感しています。

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Question 2 湘南工科大学での学びがどのように生きていますか?
基礎を積み上げる力が、設計を支える

湘南工科大学では機械工学科で学び、CADによる設計だけでなく、加工機械に触れる授業や、材料・力学に関する基礎科目を履修しました。特に、機械力学・材料力学・流体力学・熱力学といった、いわゆる「四力」は、今の仕事に欠かせない基盤になっています。
学生時代は、決して勉強が得意なタイプではありませんでしたが、分からないことを質問すると、先生方が基本から丁寧に教えてくれる環境でした。理解できるまで付き合ってもらえたことで、難しい内容でも少しずつ面白さを感じられるようになりました。
卒業研究では材料系の分野を選び、水素脆化という、材料がもろく壊れやすくなる現象をテーマに研究しました。主に解析を担当し、なぜ材料が劣化するのかを数値的に考える経験を積みました。この知識は、ばねが折損した際に原因を追究する場面などで、今も役立っています。
また、加工の授業で実際に機械を扱った経験も大きいです。設計したものは必ず「加工する人」がいます。その立場を理解していることで、危険な設計になっていないかを考えたり、改善提案をしやすくなったりします。学生時代に「今は関係ない」と思っていた経験が、社会に出てからつながっていると感じます。

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Question 3 これからの目標を教えてください。
設計を任されるエンジニアになる

今後の目標は、ばねの設計を一から自分の力で任されるエンジニアになることです。まずはコイルばねの設計を確実に身につけ、将来的にはスタビライザなど、車に使われるさまざまな部品を設計できるようになりたいと考えています。
設計職として成長するためには、図面を描くだけでなく、その設計が「なぜ成立するのか」「どこにリスクがあるのか」を自分で判断できる力が必要です。将来的には管理職も視野に入れており、そのためにも現場で通用する設計力をしっかり身につけたいと思っています。
管理職になると、設計そのものからは少し離れ、判断やマネジメントが中心になります。そのときに、図面や設計内容を理解できなければ、適切な判断はできません。だからこそ、若いうちに設計の経験を積み、知識と実感を伴ったエンジニアになることが重要だと考えています。
まだ具体的なアイデアはこれからですが、設計に付加価値を加え、製品をより良い形に発展させていけるエンジニアを目指して、日々学び続けていきたいです。

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ミライの湘南工科大生へ
メッセージ
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基礎から学べば、必ず力になる

湘南工科大学で強く感じたのは、「基礎から丁寧に教えてもらえる環境」だということです。勉強が苦手だと思っていても、モノづくりに少しでも興味があるなら、ぜひ挑戦してほしいと思います。
機械工学は難しい分野ですが、分からないことをそのままにせず、質問すればしっかり向き合ってくれる先生方がいます。自分から動けば、その分多くのことを学べる環境です。
また、機械工学は女性が少ないイメージがあるかもしれませんが、周囲は優しく、困ったときには助けてもらえました。モノづくりが好きなら、性別に関係なく挑戦してみてほしいです。
基礎を大切に学ぶことは、社会に出てから必ず自分を支えてくれます。湘南工科大学での学びは、その土台をつくる場所になると思います。