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01Quantum Computing Researcher

量子コンピュータ
研究員

スディーラ グナティラカさん
Sudeera Gunathilaka
国立研究開発法人産業技術総合研究所量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G‑QuAT)量子アプリケーションチーム
工学部 情報工学科 2020年3月卒業

量子・AI・HPCが交差する最前線で、
計算可能性の限界に挑み続ける。

Question 1 現在のお仕事の内容を教えてください。
量子・AI・HPC、その境界に立つ研究者

現在は、産業技術総合研究所(産総研)の「量子アプリケーションチーム」に所属し、量子コンピュータを社会でどのように活用できるかを研究しています。量子コンピュータそのものを開発するのではなく、「どんな社会課題に、どのように使えるのか」を考え、アルゴリズムとして具体化するのがチームの役割です。
私の研究は、量子計算、AI(人工知能)、そして高性能コンピュータ(HPC)という三つの分野の“融合領域”に位置しています。どれか一つにきれいに分類できるものではなく、それぞれの特性を理解した上で、最適な手法を選び、組み合わせていく研究です。
例えば、渋滞の緩和や最適な経路選択、配送ルートの最適化といった「組み合わせ最適化問題」は量子計算の有望分野であり、現在は小規模な交通制御や物流計画への応用が検討され、将来的には都市全体の交通網や大規模サプライチェーンの同時最適化が期待されています。こうした課題に対して、それらの手法が実際にどの程度有効なのか、またどのような数理モデルやアルゴリズムが必要となるのかを研究しています。
研究は個人で完結するものもありますが、多くはチームで進めます。議論を重ね、異なる視点を取り入れることで、新しい発想が生まれる。自分一人ではたどり着けなかった答えに近づけるのが、研究の面白さだと感じています。

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Question 2 湘南工科大学での学びがどのように生きていますか?
最適化の基礎が、最先端研究の土台になる

湘南工科大学では、情報工学を中心に学びました。特に、数学を使って問題を定式化し、アルゴリズムとして解いていく力は、現在の研究の基礎になっています。今取り組んでいる量子・AI・HPCの研究も、突き詰めると古典的な最適化や線形代数の知識が欠かせません。
在学中は早い段階から「研究者になりたい」という思いを持っており、先生方に相談しながら進路を考えていました。三浦先生のサポートをきっかけに研究分野への理解を深め、二宮先生のもとでニューラルネットワークや機械学習を学び、本格的な研究に取り組むようになりました。卒業前に論文を1本発表できたことが、研究者としての第一歩になったと感じています。
また、湘南工科大学で強く印象に残っているのは、先生方との距離の近さです。研究室が同じフロアに並び、気軽に相談できる環境がありました。外国から日本に来て間もなかった私にとって、このオープンな雰囲気はとても心強く、自分の興味や適性を見つける大きな助けになりました。
「まず自分で確かめる」「手を動かして考える」という姿勢も、大学時代に身についた大切な考え方です。この習慣は、今も研究のあらゆる場面で生きています。

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Question 3 これからの目標を教えてください。
研究を、社会につながる形へ

今後の目標は、量子コンピュータの研究を、より現実的な社会課題の解決につなげていくことです。理論として面白いだけでなく、「実際に使われる可能性があるか」「社会にどんな価値をもたらすか」を意識した研究を進めていきたいと考えています。
研究のプロセスでは、問題を見つけ、モデル化し、数値実験で評価し、論文としてまとめるというサイクルを何度も回します。その中で重要なのは、「どの数値計算モデルがこの問題に最も適しているか」「量子計算を用いることで本質的な利点が得られるのか」を冷静に見極めることです。量子ありきではなく、最適な手法を選ぶ判断力を磨いていきたいと思っています。
また、研究は一人では完結しません。チームでの議論や、他分野の研究者との連携を通じて、新しい視点を取り入れることが不可欠です。専門性を深めつつ、分野を越えて対話できる研究者になることが、これからの自分の目標です。

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ミライの湘南工科大生へ
メッセージ
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「なぜ?」を持ち続けることが第一歩

研究者にとって一番大切なのは、「好奇心」や「探究心」だと思います。「なぜこうなるのだろう」「本当にそうなのだろうか」と疑問を持ち続けられる人は、研究にとても向いています。分野を最初から一つに絞る必要はありません。むしろ、学生のうちは幅広く触れて、自分の興味を探してほしいです。
これからAIや量子といった分野は、ますます社会に浸透していきます。一見すると難しそうに見えるかもしれませんが、基礎を学び、少しずつ触れていけば、決して特別な世界ではありません。「使う側」ではなく「つくる側」に回ってみたい人にとって、とても魅力的な分野だと思います。