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総合デザイン学科 禹 在勇 教授


[研究テーマ]「モノ—ヒト—地域」を対象に、未来へと導く新たなデザインを追究する

科学的な検証によってカタチが決まる工学系デザインの魅力

学部時代は美術系、大学院では工学系とそれぞれのアプローチでプロダクトデザイン分野の学問を修めてきました。大学院では、漆器(お椀)のデザインに取り組んだことが印象に残っています。
工学系デザインでは、科学的な検証が欠かせません。だからこそ、「なぜこのようなカタチになるのか?」というユーザーが納得できる根拠を示すことができるのです。お椀のデザインでは、熱伝導率を検証するシミュレーションに基づき、縁(ふち)の厚さを科学的に追究しました。私のデザインでは、80度ぐらいのみそ汁を口にしてちょうど良い温度に下がるよう工夫しています。
プラスチック製のお椀は保温性が低く、木製の場合温度の下がり方が緩やかという素材の特性も考慮しています。木材は細かい穴を沢山含む多孔質ですから、漆でコーティングすると内部が魔法瓶のような二重構造となり、保温性が向上するのです。伝統的な漆塗りのお椀は、機能性も高いのです。

プロダクトから実体のないデザインまでカバー

当研究室では、人間・生活・社会とモノとの関わりに関する諸問題を科学的に検証し、総合的な「デザイン科学」に取り組みます。私の大学院時代は、最適なお椀の厚さを探るシミュレーションを自らプログラミングする必要がありましたが、現在はシミュレーションツールを備えた3DCAD、モノを試作できる3Dプリンターがあり、本学の学生ももちろん使用できます。
さらに、「モノ—ヒト—地域」を対象に、未来へ導く地方創生や持続可能な社会づくりを目指す「地域デザイン」も重要なテーマです。企業や地域との連携も可能ですから、好奇心次第で世の中の“あらゆる”モノづくりにチャレンジできる環境です。

デザインの世界は数学のように正解にたどり着けば終わり、ではありません。そのため、理想を「どこまで追究するのか」線引きをする難しさも伴いますが、学びを通じてデザインの楽しさや醍醐味も感じてもらえるでしょう。

何でもデザインできる人を目指そう

当研究室では、特定分野のプロダクトデザインに携わる“だけの”デザイナーは養成しません。例えば自動車の分野で車体の外観をデザインする仕事ばかり続けていると、いずれアイデアが枯渇するでしょう。自動車にはインテリア、グラフィック、エンジニアリングなどさまざまな要素が詰まっており、トータルコーディネートを考えることがアイデアの源泉となるのです。いかにしてユーザーが満足する仕組みをつくるかという点では、サービスについてもデザインする必要があります。「何でもデザインできる人」を目指し、まず大学では幅広いデザイン領域を体験してください。

デザインを担当する人の役割はアイデアスケッチから3DCADでレンダリングするだけではありません。社会では企画から製品化、使用感の検証など一通りのプロセスをマネジメントできる人材が求められています。そうしたニーズに応える総合的なデザインマインドを持った「デザインができる人」を目指し、ともに学んでいきましょう。
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