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電気電子工学科 小野 浩孝 教授


[研究テーマ]光ファイバー通信技術の研究

光物性物理学を学び光ファイバー通信技術へ

大学・大学院では物質と光の相互作用を利用して物質の性質を探るような研究を行っていました。私が教わった先生方は理学部出身が多かったので、おのずと理学部のような学び方をすることになり、具体的なモノづくりよりも、モノの性質や真理の追究を重視するやり方が身につきました。大学院修士課程修了後はNTTの研究所に所属し、光ファイバー通信技術の研究を行いました。ここでも、光ファイバー通信に使うモノづくりではなく、将来必要とされるモノに使われる技術を新たに開拓することに注力してきました。
さて、みなさんが普段使っている携帯電話と基地局をつないでいるのは無線通信ですが、その先がどうなっているか考えたことはありますか? その先は、光ファイバーによる光回線網が張り巡らされ、インターネットのインフラを構築しています。しかし、家庭の固定回線設備で目にする光コンセントなど、普段目にするのはほんの一部に過ぎません。
目立たないものの、通信インフラを支える縁の下の力持ち、それが光ファイバー通信なのです。

飛躍的に増大する通信量を新技術で支える

光ファイバーを伝わる光信号は距離が長くなるにつれ、強度が弱まるという性質があり、そのため一定の間隔で「光増幅器」を設置して補う仕組みとなっています。
もともと大容量の通信を行うために誕生した光ファイバー通信ですが、テキストから音声、さらに動画が加わるなど扱うデータは増加の一途をたどっています。インターネットの通信量は過去12年で約30倍、年率約20%の増加傾向にあり、今後もその増加が収まる兆しはありません。それでも技術者たちは粛々と技術を蓄積して、通信量の増加に対応してきました。例えば、時間差で複数の情報を伝送する「時間分割多重技術」、波長ごとに異なる情報を伝送する「波長分割多重技術」など、光ファイバーを効率的に使うための仕組みを次々と生み出してきた歴史があります。当研究室もより多くの伝送容量を実現する光通信システムと、それに適した光増幅技術の確立を目指しています。

次世代型増幅器の開発を目指しています

現在盛んな研究が、「空間分割多重(SDM:Space Division Multiplexing)技術」です。光ファイバーは、コアと周囲を覆うクラッドから構成されており、光信号はコアに閉じ込められた状態で伝送されます。一つのクラッドに複数のコアを配置し、それぞれ異なる情報を伝送するのが「コア多重」、同一コアの中を複数の光が伝送するのが「モード多重」であり、両者の最適な組み合わせによって伝送容量を飛躍的に増大させることが期待されています。この技術の確立には、対応した増幅器が欠かせません。
当研究室ではSDM技術に適した光増幅器を設計し、特性を測るシミュレーションと実験に取り組んでいます。「難しい分野かも……」と臆する人がいるかもしれませんが、学部教育初期は、プログラミングなどの基礎学習からスタートします。未来の通信インフラを支える技術開発に、一緒に挑戦しましょう。
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