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人間環境学科 宮坂 武寛 教授


[研究テーマ]血液浄化療法における患者の負担を軽減する研究

工学と医学を修めた修業時代

学部の専門教育では、化学製品をプラントで大量生産する技術を扱う「化学工学」について学び、卒業研究で選んだ研究室のテーマは人工透析でした。具体的には分離技術を用いて血液浄化を行うというものです。
この研究室を選んだのは、将来医療機器の開発を希望する親友の強い誘いに乗ったことがきっかけでした。学部4年では血糖値を測るセンサーを、大学院修士課程時代は透析液中の汚染物質をモニタリングするセンサーをつくるなど、何かの様子を観測(モニタリング)する研究を数多くこなしました。博士課程以降になって本格的に血液透析の研究を行った後、医学系の大学で研究職を務め基礎医学を一から修めました。
循環生理学という、身体における血液の流れについての研究する分野だったのですが、学生時代に培ったモニタリング技術を活用し、活性酸素センサーなどを実際に動物に応用する研究を行なっていました。

人工透析患者の負担を軽減する

弱った腎臓の代わりに血液中の老廃物や余分な水分を取り除き、浄化された血液を体内に戻す治療法———それが人工透析であり、国内には約34万人もの患者がいます。通常は「脱血」用と「返血」用の2本の針を用いるダブルニードル(DN)透析が主流ですが、当研究室では1本の針で人工透析を行うシングルニードル(SN)透析の研究をテーマとしています。

本研究室は、埼玉県の病院に勤務する技士さんから依頼を受けたのが始まりでした。針を刺す箇所が1箇所に減るため、痛みやストレスが軽減される点がSN透析のメリット。病院へ足を運ぶのが負担となる患者にとっても、SN透析は望ましい治療法だと思います。しかし、SN透析はDN透析と比較してより長い時間を要するというデメリットが存在します。そのため、SN透析を実際に行う患者は数百人にも及びません。SN透析の効率を向上させる装置を開発し、34万人の患者に貢献することが私たちの目標なのです。

液体に浸かりながら呼吸ができたら、どんな未来が開ける?

「人工血液を肺に入れたら呼吸できるのではないか?」という発想から、山梨大学・早稲田大学と協働で「液体換気療法」の研究を行っています。炎症を起こした肺を洗浄する場合、現在は生理食塩水を使っていますが、患者は溺れるような苦しい思いをします。液体換気療法が確立されれば、液体で肺を洗いながら呼吸も可能なため、患者の負担は大幅に軽減されるでしょう。治療液に浸かり、呼吸をしながら身体を治すといったSF的な光景も夢ではないかもしれません。当研究室が装置を考え、早稲田大学は材料を、山梨大学は動物実験をといった役割分担で研究を進めています。

このように、工学系の学科でありながら医学関連のテーマも学べます。当研究室では医・工の融合領域を学ぶことが可能です。共に学び、将来の目標をつかんでください。
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