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電気電子工学科


※内容は[大学案内2022]特設サイトから転載

企業や医療現場と連携して「電動義手」を開発中!

近年、医療・福祉分野へのロボットやICT技術の応用が注目されています。高齢者や身体に障がいを持つ人々をサポートし、生活の質を向上させる、いわば「人によりそう技術」です。
電気電子工学科で製品化に向けて研究開発を進めている「電動義手」もそのひとつ。薄い金属のセンサーを残った腕の部分に貼り付け、手を動かそうとするときのわずかな動きを読み取り、その信号を「計測回路」で増幅。さらに義手に内蔵された2つの小型モーターの「制御回路」を経て、モノをつかむ5本指の開閉動作を実現させるというものです。
電気電子工学科では、センサーと電子回路部分を担当し、それ以外の部分は5本指ロボットアームの技術を有する岐阜県の企業が製作。手の部分はプラスティック素材のナイロン樹脂を3Dプリンターで成形したものです。
操作性に関しては茨城県の医療機関の協力を得て、実際に片腕を欠損した患者に装着してもらい、その結果を研究開発にフィードバックさせてきました。センサーの不具合や操作に慣れていない人のために、反対側の手で指の開閉を操作できる手動スイッチも備えています。義手の心臓部ともいえる「計測回路」と「制御回路」はこれまで改良に改良を重ねてきており、学生たちはその試行錯誤の中で、電子回路やプログラミングなどの技術を「人によりそうモノづくり」に結びつけていく“手応え”を実感しています。

誰でも扱いやすい軽量・低コストの「電動義手」

ケガや病気で前腕部や上腕部の一部をなくしてしまった障がい者のための義手。外観だけを復元する「装飾用義手」以外に、モノをつかめる動作をできるようにする義手があり、代表的なのはドイツ製の「筋電義手」です。これは筋肉が収縮する際に脳が発するごく微弱な電流を読み取り、その変化によって義手に内蔵されたモーターを駆動して手でモノがつかめるようにするものです。この筋電義手の登場で、多くの障がいを持った人たちが自分の意志でモノをつかんだり、運んだりという基本的な動作を行うことができるようになりました。しかし、筋電義手はわが国で必ずしも広く使われていません。というのもうまく操作させるためには一定のトレーニングが必要で、時に誤動作も起こし、重量があるので操作性の問題もありました。また価格もおよそ300万円と非常に高価なのです。
「誰でも扱いやすく、軽量・低コストで手軽に利用できる5本指の『電動義手』ができないだろうか?」。その課題を解決したのが、わずかな皮膚の動きや起伏を計測できる薄型のセンサー技術と独自の回路設計でした。価格も約80万円と筋電義手の1/4以下に抑える予定で、製品化も間近です。現在、同じセンサー技術を応用して、高齢者が飲食物をうまく飲み込めない「嚥下(えんげ)障害」を診断する研究にも着手しています。

多様な技術を組み合わせて人にやさしい社会を実現

電気電子工学科で学ぶ分野を大きく分類すると「電気エネルギー(電気系技術)」「エレクトロニクス(電子系技術)」「情報通信(情報・通信系技術)」の3分野になります。学科全体としては再生可能エネルギーからワイヤレスセンサー、次世代移動通信システム5Gなどの通信機器、IoTシステムへの応用までをカバーし、将来どのような業界でも通用する確かな基礎と豊かな発想力を持った技術者を育成しています。

電動義手の研究開発では、主としてセンサー技術や電子回路の設計などエレクトロニクスやプログラミングを中心に修得することになりますが、義手の機械的な側面や実際の医療現場での運用なども踏まえて、医療現場や障がい者のニーズに応えるシステムとしてまとめ上げていくことも求められます。多様な技術を組み合わせて、人にやさしい社会を実現する新しいシステムを生み出していく。電気電子技術への期待は、これからもますます高まっていくことでしょう。
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