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人間環境学科


※内容は[大学案内2022]特設サイトから転載

実際に手を動かしながら、FRPの製造工程を学ぶ

ガラス繊維や炭素繊維を樹脂で固めたFRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)は、テニスラケットやサーフボード、スノーボードなど、多くのスポーツ用具で使用されている身近な素材です。そのほかにも、航空機や船舶、ノートパソコンの筐体、浴室のバスタブまで、多彩な分野で活用されています。
軽量で丈夫なFRPは車体の軽量化が課題となっているEV(電気自動車)のボディ用の材料としても注目されている素材です。
授業では実際にFRPを製作することで、FRP製品の製造工程を学んでいきます。シート状のガラス繊維に樹脂を染み込ませるためには、さまざまな工夫が必要です。FRP製造にはさまざまなプロセスが実用化されています。授業では、バキュームバッグと呼ばれる袋の中にガラス繊維を入れ、バッグの中を減圧する(空気を抜く)ことで、樹脂が効率的に染み込むようにしています。
減圧するためには真空ポンプを使用しますが、このようなFRPの成形装置も学生が自作することで、製造工程をより深く理解することができます。目標は、サーフボードに使用できるサイズのFRPの製造ですが、授業ではまず、スケートボード用の小さなサイズのFRP製造にチャレンジします。サイズが小さいといっても、均一なFRPを作ることは簡単ではありません。さまざまな条件を組み合わせ、最適な製造プロセスを試行錯誤しながら見つけ出していきます。

「壊れ方」を理解することも重要

電気自動車のボディ材料としてFRPを使用するためには、軽量化のほかにもさまざまな課題があります。たとえば、製造時間を短縮することによる低コスト化は、FRP車体の実用化には不可欠です。このような実用化のための研究も重要な研究テーマの一つです。また、炭素繊維を利用したFRPとして、ロッド状のFRPの製造にも取り組んでいます。スポーツ分野ではゴルフクラブとしての使用が想定されています。

軽量で丈夫な構造材料として、EVやドローンなどへの適用も有望です。実用レベルのFRPロッドの開発に成功すれば、本学が参加している「鳥人間コンテスト」の機体材料として提供できるようになるかもしれません。材料の研究は、どう作るかだけが研究テーマという訳ではありません。できあがったものの状態や性能を評価したり、使用によってどのように劣化したり、壊れたりするかを理解することが、よりよい材料を作ることにつながります。
「アコースティック・エミッション」は、聴診器のように音を使って、材料の状態を捉える技術です。材料が壊れていく際には、内部の変形や損傷が起こります。その際にさまざまな周波数の音波が放出されます。この音波を詳細に分析することで、材料内部の変形や損傷の様子を知ることができます。ガラス繊維と樹脂の複合材料であるFRPは、変形や損傷のプロセスが複雑です。「アコースティック・エミッション」を利用することで、FRPの性能向上、モニタリングや故障予知が可能になります。

健康で楽しい暮らしを実現するために

人間環境学科は、人々が健康で豊かな生活を送るために必要な、生活に密着した幅広い分野を研究する学科です。そのためには、工学だけでなく、医療や環境、スポーツなど幅広い知識が必要になります。情報としての知識だけでなく、さまざまな装置を使った実験を数多く行うことで、実社会で通用する技術も身につけます。実験では、機械・電気工学に関わる実験装置や測定装置だけでなく、医療分野の装置も使用します。さまざまな測定機器に触れることは、実社会ですぐに役立つ知識と経験になるでしょう。
また、多くの実験レポートを書くことは、報告書や資料の作成などに生かすことのできる力を養います。技術者として必要な基礎知識のほかに、実験などを通して、チームで働く力も学んでいきます。チームの一人ひとりの力を引き出し、全員が参加できるようにする「巻き込み力」を持った人材は、企業でグループリーダーとして活躍することが期待されます。
技術者としての基礎知識とリーダーシップを身につけた人材は、企画から現場での製造作業まで、「モノづくり」のどのプロセスを担当しても、素晴らしい活躍ができるにちがいありません。人間環境学科はそのような人材の育成を目指しています。
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