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情報工学科


※内容は[大学案内2021]特設サイトから転載

世界的なCanSatのコンテストで、ゴールまで0mの完全優勝

「Can(空き缶)」サイズの「Sat(Satellite:衛星)」から名付けられた「CanSat」は、アンテナや通信機、マイコン、各種センサー、アクチュエーターなどの要素を詰め込み、自律システムで動く模擬人工衛星。宇宙技術の教育を目的としたもので、気球やロケットで上空まで飛ばし、そこから放出されたCanSatがパラシュートで降下しながら観測や通信などのミッションを行います。一度放出されてしまうと修理はできず、こちらから指示を送ることもできないので、丈夫なハードウェアと高性能なソフトウェアの両方が必要になります。

世界では技術力と創造力を競うコンテストが開催されており、2019年9月にアメリカネバダ州ブラックロック砂漠で開催された世界最大のCanSatコンテスト「ARLISS(A Rocket Launch for International Student Satellites)2019」において本学情報工学科の斎藤研究室SuperNOVAチームが優勝し、世界1位を達成しました。この大会は、惑星探査ローバーをロケットで打ち上げ、パラシュートで降下して地上に着陸後、自律制御したローバーでゴールにどれだけ近付けるかを競います。斎藤研究室のチームは、3回のチャレンジのうち1回目0.05m、2回目0m、3回目0mというARLISS史上初の好記録を達成し、さらにAccuracy Award1位、Best Mission Award1位、Technical System Award2位を受賞し、総合優勝を意味するOverall Winner1位を獲得する圧倒的な勝利でした。

ハード設計から、人工知能、組み込みソフトまで幅広く身につく

CanSatでは、ハードウェアの電子回路設計、製作から、マイコンのプログラミングまで、すべて自分たちで行います。惑星探査ローバーのタイヤも市販のものでは使えないので、タイヤの設計も製作も学生たちが行いました。ロケットから放出されてパラシュートで降下するとしても、地上に到着するときにはかなりの衝撃が加わり、その衝撃で壊れてしまうことも少なくありません。まずは衝撃に耐えられる丈夫なハードウェアであることが前提条件となります。地上でのミッションをこなすための自律的な動きには、ディープラーニングを活用。搭載したカメラで撮影した画像をディープラーニングで解析し、ローバー自身が判断しながら動けるようになっています。

現在のテクノロジーにとって人工知能のインパクトは大きく、こんなに小さなマシンでも最先端のディープラーニングを活用することで高精度な制御が可能になるのです。最近では家電製品や各種サービスで人工知能が使われており、自律学習するコンピュータがさらに高度な機能を実現します。しかし、高度な人工知能だけがあっても思った通りには動きません。ハードウェアを制御して確実に動かすソフトウェアのプログラムがあってこそ、そのマシンは希望するとおりの機能を発揮することができるのです。

社会的ニーズの高い、プログラミングスキルのある技術者に

現在、私たちの身の回りを見てもわかるとおり、エアコンや洗濯機、炊飯器、自動車など、ほとんどの電化製品や機械には、特定の機能を実現するためのコンピュータシステム(組み込みシステム)が組み込まれています。こうした状況をみても、今後さらに技術者にとってプログラミングスキルは重要なものとなっていくことが予想されます。

組み込み系では、多少なりとも電子回路の知識があり、3Dプリンタでアイデアを形にするなど、全体を作っていくような、総合的な知識も必要になりますが、CanSatコンテストなどを通じてハードから組み込みソフトまでを体系的に学べる意義は大きいはずです。加えて、情報工学科の学生たちはプログラミングスキルが身についているという点が大きな強みになり、さまざまな業界への可能性が拓けます。

情報工学科では、授業時間以外に積極的に学びたい学生のために、プログラミングコンテストに挑戦するためのさまざまなプロジェクトを立ち上げています。プロジェクトごとに教室を用意して、学生たちが自由に使えるようにしているので、やる気のある学生はぜひ、コンテストにもチャレンジしてみてください。
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