推薦文
5/25 タイポグラフィ・ブギー・バック : ぼくらの書体クロニクル /正木香子著
【2023/5/7読売新聞掲載】
みなさんは「写植」という言葉を知っていますか。写真の原理を用いて文字を印字する方法です。本書では、1990年代から2010年代まで、活版印刷から手動写植・電算写植を経てデジタルフォントによるDTPへと移って行く中で、本はもちろん、雑誌、マンガのセリフ、テレビのテロップなどの書体を年代、ジャンルごとに分けて網羅しています。街角の看板・本・アニメなどあらゆるものが、現在では様々な字体(フォント)で溢れています。著者はこれを「多書体文化」と表現しています。同じような文体や文章でも、書体の違いで全然別のものと感じてしまうことはありませんか。昨今のSNSでは、「親しみやすく、伝わりやすい」書体が増えていくのでは、と著者は指摘しています。今までは、様々な文章に合わせて書体を選んでいたのに、すでに決まった書体のみがいつのまにか社会に浸透しているのかもしれません。(OM)
みなさんは「写植」という言葉を知っていますか。写真の原理を用いて文字を印字する方法です。本書では、1990年代から2010年代まで、活版印刷から手動写植・電算写植を経てデジタルフォントによるDTPへと移って行く中で、本はもちろん、雑誌、マンガのセリフ、テレビのテロップなどの書体を年代、ジャンルごとに分けて網羅しています。街角の看板・本・アニメなどあらゆるものが、現在では様々な字体(フォント)で溢れています。著者はこれを「多書体文化」と表現しています。同じような文体や文章でも、書体の違いで全然別のものと感じてしまうことはありませんか。昨今のSNSでは、「親しみやすく、伝わりやすい」書体が増えていくのでは、と著者は指摘しています。今までは、様々な文章に合わせて書体を選んでいたのに、すでに決まった書体のみがいつのまにか社会に浸透しているのかもしれません。(OM)
6/1 江戸の女子旅 : 旅はみじかし歩けよ乙女 / 谷釜尋徳著
【2023/4/8朝日新聞掲載】
最近、観光需要の高まりをうけて、旅行業界が活気を取り戻しつつあるようです。皆さんも夏休みをどこで過ごそうかと、旅行計画を立てているのではないでしょうか。例えば東京から京都まで新幹線で・・・などなど。もちろん旅は非日常の楽しいひと時ですが、一方で、旅行の準備はいろいろ手間暇がかかり、トラブルのリスクも伴います。本書は、江戸時代の女性の旅の様子を紹介した一冊ですが、現代のように新幹線などない江戸時代、まして徒歩での長旅となれば、危険と不安も増すだろうと想像がつきますが、それを上回る旅の楽しさが、本書から垣間見られるようです。この夏、旅行を考えている方には、観光ガイドとしても楽しめる一冊です。(TT)
最近、観光需要の高まりをうけて、旅行業界が活気を取り戻しつつあるようです。皆さんも夏休みをどこで過ごそうかと、旅行計画を立てているのではないでしょうか。例えば東京から京都まで新幹線で・・・などなど。もちろん旅は非日常の楽しいひと時ですが、一方で、旅行の準備はいろいろ手間暇がかかり、トラブルのリスクも伴います。本書は、江戸時代の女性の旅の様子を紹介した一冊ですが、現代のように新幹線などない江戸時代、まして徒歩での長旅となれば、危険と不安も増すだろうと想像がつきますが、それを上回る旅の楽しさが、本書から垣間見られるようです。この夏、旅行を考えている方には、観光ガイドとしても楽しめる一冊です。(TT)