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電気電子工学科で国立天文台KAGRA研究員によるセミナー開催


2021年12月2日、国立天文台研究員・鷲見貴生氏による、東京大学宇宙線研究所KAGRA(岐阜県飛騨市神岡町)における重力波観測などに関するセミナーが、電気電子工学科「電気工学実験」の授業の一環で開催され、学生・教職員約30名が参加しました。

前半は、KAGRAの仕組みと100年におよぶ重力波研究の歴史、アメリカのLIGO(ライゴ)2台、イタリアのVIRGO(ヴィルゴ)1台を含め、世界で4台目の高感度検出器となる日本のKAGRAおよびドイツの研究所などによる重力波観測ネットワークの現状と今後の展望について説明。さらに、2019年9月に成田研究室がKAGRAに設置した、落雷位置標定システムがKAGRAで果たしている役割などが紹介されました。
後半は、落雷位置標定ネットワーク構築プロジェクトBlitzortung.org(ブリッツ)とKAGRAでのノイズ観測に関する説明がなされました。
質疑応答では、教職員や落雷位置標定装置の設置に同行した学生などから、KAGRAの構造に関することや、「重力波検出器が日本にあることのメリットは?」「ブラックホールの合体が検出される頻度は?」などの質問が寄せられていました。セミナー前には、学長室において、本学の渡辺重佳学長、鷲見氏、成田教授による懇談会が行われました。

成田研究室では、KAGRAが2020年に重力波観測を開始する前年の、2019年9月に落雷位置標定装置を同施設に設置。重力波の検出には地球内のあらゆる振動がノイズとして妨げとなっており、その内の落雷に伴って発生する電磁ノイズを同定するためのデータを提供しています。

ブラックホールの合体などによって発生するとされる重力波は、“アインシュタインが残した最後の宿題”ともいわれており、宇宙空間にある質量を持った物体が引き起こし光速で伝わる時空のさざ波を観測できれば、天体で起きていることや、宇宙誕生の謎にも迫れると期待されています。


セミナー参加学生のコメント
今回のセミナーに参加し、初めて「重力波検出器」という観測装置の存在を知りました。また、大型で高感度の重力波検出器は世界に4台しかなく、その内の1台が日本にあるということに、とても驚きました。KAGRAの仕組みなども細かく教えていただき、レーザー干渉計における重力波の観測は簡単なことではなく、自然現象などによるノイズも影響することがわかり、重力波観測の難しさを理解することができました。(電気電子工学科3年 桑原七海さん)


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