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湘南邸園文化祭2022のキックオフ記念式典に教員と学生が参加


2022年9月19日、「湘南邸園文化祭2022」のキックオフ記念式典が茅ヶ崎館(茅ヶ崎市中海岸)で開催され、総合デザイン学科の中尾寛教授、大島碧特任講師、中尾研究室の升本尚希研究員および空間デザイン分野を学んでいる学生12人が参加しました。

式典では、主催者挨拶に続き、参列した佐藤光茅ヶ崎市長が来賓挨拶として、「湘南地域には歴史的な素晴らしい建物や庭園が多くあるが、相続や管理などの問題で保存が難しくなるケースも多々ある。茅ヶ崎市にも、茅ヶ崎館や南湖院など文化・歴史的遺産があるので、しっかりと残せるものは後世に残していきたいと考えている」と述べられました。
茅ヶ崎市長、神奈川県県土整備局都市部都市整備課長 小池正幸氏、湘南邸園文化祭連絡協議会顧問 菅孝能氏、湘南邸園文化祭連絡協議会会長 森浩章氏、本学総合デザイン学科 中尾寛教授によるテープカットの後、本展に関する解説が中尾教授より行われました。

会場となった茅ヶ崎館では、9月17日(土曜日)から9月25日(日曜日)までの期間、総合デザイン学科の空間デザイン分野を学んでいる学生たちによる「小津・ノグチ・茅ヶ崎館」展を開催中です。

湘南邸園文化祭連絡協議会会長 森浩章氏のコメント
茅ヶ崎館では長年、茅ヶ崎映画祭や各種ワークショップなど、地域と連携して文化活動を行なってきました。中尾先生、升本さんとは2021年の邸園文化祭を通して出会い、今回の展示会につながりました。自分自身が工業デザイン出身ということもあり、今回のプロジェクトはさまざまなことを共有しやすく、進めやすかったです。プロジェクトを始めるにあたり、まず、学生たちには、茅ヶ崎の地形や文化的土壌を説明しました。茅ヶ崎の海側地域は、なだらかな起伏のある砂丘地帯で、沖には烏帽子岩が見えます。また、明治期に多くの外国人が茅ヶ崎に別荘を構えたのを機に芸術家や文化人などが集まりやすい風土ができました。今回の展示は「空間の奥行きを表現する」というのが裏のテーマとしてありますが、室内、縁側、庭という実空間の奥行きだけでなく、茅ヶ崎の風土・文化の奥行きにまで踏み込んで展開できたのではないかと思っています。
参加者のコメント(一部抜粋)
小津安二郎もイサム・ノグチも知らなかったので、どんな人だったんだろうと調べるところから始めました。作業自体は、スタディ(デザインの模索)の段階が楽しかった反面、最も頭を使いました。どういった方針でこのプロジェクトを進め、製作していくか、みんなでアイデアを出し選択肢を増やしていく。その中でどれを選択して、どれを捨てるのか、そして小津、ノグチ、茅ヶ崎館の3つをどうつなげるのか、それが難しかったです。庭に設置する鉄板を使用した作品を製作したので、本学技術員の沼尾さんにも機械加工の作業で協力してもらいました。大きな作品が展示されて嬉しいです。今回は、イサム・ノグチや小津安二郎を知っている人には理解してもらいやすい展示ですが、ふらっと訪れた何の予備知識もない人にも楽しんでもらえるものも、今後機会があれば作ってみたいです。
(総合デザイン学科3年 土屋健太)


夏休み中、なかなかゴールが見えない中取り組んでいたのが大変でした。でも、こうして完成した作品を公開・展示して、来場者に見てもらい評価してもらえると達成感があります。事前リサーチとして小津安二郎の映画は8本程観ました。その中から「晩春」「東京物語」「秋日和」のシーンを切り取り、長屋棟の作品に部屋ごとに反映して製作しました。
(総合デザイン学科3年 久保塚耀介)


モノづくりの工程の中でも、切り抜き作業が好きなのでピープショウ(のぞき穴効果で内側に描かれた絵が奥行きを伴って立体的に見え、不思議な体験が味わえる中世ヨーロッパで考案された光学おもちゃ)の作製はとても楽しかったです。レイヤーを重ねていくと曖昧だったものが段々形になっていくのが面白いと思いました。長屋棟の作品は、AutoCADで図面を書き、レーザーカッターで切り抜いてから組み立てています。ピープ・オズ・ショウも長屋棟も、どちらもやりごたえのあるものでした。
(総合デザイン学科3年 松葉駿平)


今回のプロジェクトは、茅ヶ崎館で脚本が執筆された小津作品の映像を分析し構築し直すことで、ピープショウ作品と茅ヶ崎館東側に伸びる長屋棟の模型作品を製作しています。また、「地球を彫刻した男」と呼ばれた世界的彫刻家イサム・ノグチは幼少期を茅ヶ崎で過ごしており、小津の映画、ノグチのランドスケープデザインが交錯するいくつかのスタディを通して、茅ヶ崎館での展示作品に落とし込んでいきました。いち映画ファンとして、小津安二郎ゆかりの茅ヶ崎館で展示会を催すことができ歓喜しています。
(総合デザイン学科 中尾寛教授)


小津とノグチの2つを出発点に、建築、映画、彫刻を解剖して空間デザインとして再構築できたのは、学生たちのしなやかな感受性に加えて、茅ヶ崎館という場所の作用もあったと思います。湘南はとてもよい場所なので、今回のように地元と連携した展示などで、外部の評価を得る機会を設けられるのは大切なことだと感じています。また、プロジェクトのゴールを決めず、学生たちから出てきたものを進化・深化させながら実験的に進めるため、教員も想像していない予期せぬ方向、よい意味で斜め上のものができるのが、本学の空間デザイン分野の授業の面白いところだと感じています。
(大島碧特任講師)


小津安二郎の「晩春」は、当初102番目のシーンで終わるはずでした。ところが、小津は脚本を書き上げた高揚感で眠れず海岸へ降りて行き、烏帽子岩が見える夜の茅ヶ崎海岸を散歩します。その偶然が、103番目のシーン「夜の海」を追加するきっかけになりました。今回の短編映画制作にあたり、実際に自分も茅ヶ崎館に宿泊し、103シーン目を入れた小津安二郎の行動を自分なりに追体験して作品に仕上げました。映像内のサウンドは小津作品中の台詞などを独自にデジタルで音に変換し編集したものを使用しています。
(総合デザイン学科 中尾研究室 升本尚希研究員/映画制作)
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