2022年12月14日（水曜日）、NHK BSプレミアム「英雄たちの選択」で、工学部 コンピュータ応用学科の長澤・井上研究室が制作した「国宝『一遍上人絵伝』の踊り念仏の踊りシーケンスの3DCGによる復元画像」が紹介される予定です。

蒙古襲来で全国が極度の緊張状態にあった鎌倉時代後期、念仏を唱えながら踊り狂う「踊り念仏」が大ブームとなりました。仕掛け人であった一遍上人の半生を伝える絵巻物、国宝「一遍上人絵伝」には、踊り念仏の様子を描いたものが6つあり、その1つが「片瀬の浜」（現在の藤沢市片瀬付近）でのシーンになります。

「片瀬の浜」での踊り念仏のシーンには、舞台を作り、大勢の僧侶らが鉦や太鼓を打ち鳴らしながら時計回りに踊っている様子が描かれていますが、それぞれの僧侶のポーズは統一されていません。長澤・井上研究室では、それぞれのポーズを3DCG化してアニメーションを作成。前面で踊っている10人の僧侶のポーズを時計回りに順番に再生すると、一連の踊りのアニメーションが完成することが分かりました。ほかの場面でも、同様に踊りのアニメーションを作成することができたため、絵巻には踊りの振り付けが描きこまれている可能性が高いことが分かりました。

踊り念仏の3DCG復元に関する研究は、2016年3月に大学院電気情報工学専攻博士前期課程2年（当時）の荒木宏允さんが情報処理学会全国大会で「学生奨励賞」を受賞、また、2016年9月には大学院電気情報工学専攻博士前期課程1年（当時）の大島康徳さんが情報科学技術フォーラムで奨励賞を受賞しています。