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工学部 電気電子工学科工学部 電気電子工学科

工学部電気電子工学科

ELECTRICAL AND ELECTRONIC ENGINEERING

電子情報通信×インフラ

インターネットを支える
光ファイバー通信技術の研究

現代インフラを支える最新技術の研究

スマートフォンから無線LAN、Wi-Fi、ラジオやテレビ放送まで、ほぼすべての無線通信サービスが途中で「光回線」を使用しています。スマートフォンは、発信元の電波が最も近い基地局につながると、その電波が信号に変換されて光ファイバーケーブルを通って交換局へ届き、交換局から送信先の最寄りの基地局へ信号が送られ再び電波に変換されてつながるという仕組みになっています。

無線通信のデータは、無線アンテナ基地局を通じてアクセスネットワークへ接続されると、大量のデータを1つの回線で送るために複数のチャネルに分割される“多重化”を経て、上位の地域ネットワークや長距離通信を行う基幹ネットワーク、さらには国際通信を担う海底ケーブルネットワークを利用して通信が行われます。地域ネットワーク、基幹ネットワーク、海底ケーブルネットワークは、これまでも主に光通信で構築されていましたが、私たちユーザーが利用するコンテンツの容量が増大したことにより、無線アンテナ基地局とアスセスネットワークの回線にも、光通信技術が適用されるようになってきました。
IoTやAIが生活に浸透し、ビッグデータが取り交わされる現代では、光ファイバーケーブルを使用した光通信は、社会を支えるために必要不可欠な技術です。
工学部 電気電子工学科は、通信インフラの高度化に貢献することを目的として光通信に関する最新技術の研究を行っています。

大量の情報を通信できる
光通信システム開発

光通信は、電気信号よりも高速で大容量の通信を可能にするために発達した光信号を利用するシステムです。光ファイバーを伝わる光信号は、距離が長くなるにつれて強度が弱まるという性質があります。そのため一定の間隔で“光増幅器”を設置して補う仕組みになっています。テキストから音声、さらに動画が加わる等、扱うデータ量は増加する一方です。

研究者たちは、時間差で複数の情報を伝送する“時間分割多重技術”、波長ごとに異なる情報を伝送する“波長分割多重技術”など、光ファイバーを効率的に使うための仕組みを次々と生み出してきました。電気電子工学科の研究室では、より多くの伝送容量を実現する光通信システムと、それに適した光増幅技術の確立を目指し研究を進めています。

未来社会を支える技術開発を共に

大容量光ネットワークにおいて、現在、盛んに研究が行われているのが、“SDM(空間分割多重、Space Division Multiplexing)技術”です。光ファイバーは、中心部のコアと、その周囲を覆うクラッドから構成されており、光信号はコアに閉じ込められた状態で伝送されます。1つのクラッドに複数のコアを配置し、それぞれ異なる情報を伝送するのが“コア多重”、同一コアの中に複数の光を伝送するのが“モード多重”であり、両者の最適な組み合わせによって伝送容量を飛躍的に増大させることが期待されています。この技術の確立には、対応した増幅器が欠かせません。電気電子工学科の研究室では、SDM技術に適した光増幅器を設計し、特性を測るシミュレーションと実験に取り組んでいます。そして、電気エネルギー、エレクトロニクス、情報通信の3つの分野を幅広く学び、産業の発展を支える技術者を養成します。プログラミングや電気回路などの基礎から学修をスタートし専門性を深め、研究分野によっては、C言語、MATLAB、LabVIEWなどさまざまなプログラミング技術を習得します。

電気電子工学の歴史は古く、電球や電話にはじまり、発電、通信、電子回路、コンピュータといった現代社会の基盤を支える重要な技術を創り出してきました。そして現代では、現実世界に軸足を置き、リアルとバーチャルの世界を同時に支える大切な基盤技術となっています。もし大規模停電が起き通信網が途絶えてしまったら、世界はすべて停止してしまいます。

未来社会インフラを支える技術開発に、共に挑戦しましょう。

X-Tech LaboratoryLaboratory

【 未来を創造する研究室がここにある 】

工学部 電気電子工学科

小野 浩孝 教授

大学および大学院では、物質と光の相互作用を利用して物質の性質を探るような研究を行っていました。私が教わった先生方は理学部出身が多かったので、自然と理学部のような学び方をすることになり、具体的なモノづくりというよりも、モノの性質や真理の追究を重視する手法が身につきました。企業時代には、光ファイバー通信技術の研究を行っていました。ここでも、光ファイバー通信に使うモノづくりではなく、将来必要とされるモノに使われる技術を新たに開拓することに注力し、研究を進めてきました。
光ファイバーとは、ガラスやプラスチックでできた「光を通す繊維」を意味する伝送路です。皆さんは普段、家庭の固定回線設備で使われる光コンセントや「○○○○光」などの広告文でしか、見たり聞いたりしたことはないと思いますが、スマートフォンやパソコンで動画配信サイトや海外のWebサイトを閲覧したり、遠くの人と電話ができるのは、映像情報や電波が、世界中に張り巡らされた光ファイバー通信網を通り、瞬時に手元に届くから。
目立たないものの、日常生活に不可欠な通信インフラを支える縁の下の力持ち、それが光ファイバー通信なのです。

専門・研究分野

フォトニクス、通信工学

研究テーマ

光を用いた情報伝達・処理技術の研究

研究キーワード

光ファイバ、光増幅、光通信システム

9 産業と技術革新の基盤をつくろう11 住み続けられるまちづくりを