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工学部 総合デザイン学科工学部 総合デザイン学科

工学部総合デザイン学科

MULTIDISCIPLINARY DESIGN SCIENCE

デザイン×コミュニケーション

コミュニケーションの媒体としての
デザイン研究

創って終わり、ではない。
ユーザーの声を聞くことが大切

“デザイン”は対象となる分野も扱う領域も広がってきています。デザイナーをはじめ製作に携わる人々に今、求められているのは「一つのことを多面的・多角的にとらえ、一つひとつの要素に分解し、それぞれを組み合わせたら新たな価値が創造できるかもしれない」と、思考と感覚を交差させながら“モノ(ハード)”も“コト(ソフト)”もすべて対象とし“モノづくり”をすることです。

プロダクトデザイン分野を学ぶ学生が卒業研究で製作したのは、幼児の手のひらに乗るサイズの、丸や三角の形をした木製玩具です。振ったり、転がしたり、重ねたりして遊んでいる時に玩具が発する音や動きを“カタカタ”、 “コトコト”、“ごろーん”等の“オノマトペ(擬音語と擬態語)”で表しながら、親や保育者と子どもの会話が自然に引き出されることを目的としています。

別の学生は、“アイスブレイク”を促して、アクティブラーニングによる教育効果を高めるボードゲームを製作。初対面の人々とグループワークをする時など、緊張感に包まれる事があります。そのような空気を溶かし和やかにする、という意味の“アイスブレイク”を授業の始まりに行う事で、議論を活性化させ自発的な学習態勢を促す効果が期待できます。どちらの製作物も、保育現場や授業で実際に使ってもらい、効果を見るための実証実験を行っています。“創って終わり”ではなく、ユーザーの声を聞いて次に反映させていく事も、モノづくりの現場では必要な工程なのです。

アイスブレイクに向いているゲームは何かを考察するプロダクトデザインの課題では、卒業研究生が製作したボードゲームも含めて、“デジタル”と“アナログ”のゲームをアイスブレイクの手段として試みました。それぞれのゲームの良かった点や改善点を挙げていくと、【対面で行う従来のアナログなボードゲームの効果が高い】という結果に。ただしここで大切なのは“考えて創る”を繰り返す中で、学生自身が実際に五感で得た体験です。それが次のモノづくりに向けて必要なマテリアルになります。

デザインとは“モノ”“コト”の両面がある

グラフィックデザインの授業では、色彩の基礎を1年次に学びます。2022年度は、日本の伝統的な“和色”をテーマに授業を展開しました。学生は各自自分の好きな和色を取り上げ、由来を調べ、絵の具でその色を再現します。加法混色、減法混色といった色彩学の基礎となる三原色について学び、再現した好きな和色を紙のキューブに塗り、影の付け方等も学びます。そして各自が調べた和色の由来を組み合わせ“ストーリーをつくる”という課題でグループワークを行いました。“ストーリーをつくる”というのは、今まで持っていなかった“視点”をつくる行為です。自分が深く調べたことをグループ内でディスカッションし、ほかの色とうまく組み合わせてどうやって一つのものに落とし込むか。今までなかったものを生み出していく過程を体験するための課題として、ただの“色”や“形”だけではない、そのモノや色が持っている特性をきちんと理解して、それをどうデザインに生かせるかを考える授業です。

こういったさまざまな課題を通して、デザインとは“モノ”と“コト”の両方を考えていかなければならないのだ、ということを体験しながら学びます。

思考停止せず、モノづくりに取り組む

工学部 総合デザイン学科では、“プロダクト”“空間”“エンジニアリング”のデザイン領域を1年次から多面的に学びます。2年次後半からは、3分野に分かれて専門性を追究しますが、それまでに学んだ3分野を横断的に掛け合わせ、コミュニケーションの使われ方にも注目をしながら、X-Tech(クロステック)な学びが展開されます。

横断型先端分野学修プログラム“ロボティクスコース”が研究開発を行っている、大学案内ロボットSITTER(シッター)3のコンテンツデザインにも総合デザイン学科は携わっています。人を案内するロボットにとって、コンテンツ(発信する内容)はコミュニケーションの媒体になります。コンテンツのコンセプトをどうするかなど、相手に応じた表示内容も考えなければいけません。「デザインする」といっても、プロダクトや形だけの事ではなく、コミュニケーションの使われ方にも注目をしてデザインを研究します。

2022年度の1・2年次生から、クリエイティブの現場で最も利用されているAdobe社のIllustratorとPhotoshopを全学生が授業で使用しています。基礎から平面にどのように文字を構成していくか、フォントの特性、写真の配置やレイアウトのテクニックまで学びます。立体物製作だけでなく、ポートフォリオ作成や外部コンペへの全員参加など、平面構成のデザイン分野にも力を入れ、コース配属前にはIllustratorで作品集をつくりそれによってコースが決まります。

モノづくりに携わる人間は、一歩踏み込んで「なぜこうなっているか」を知り、考えること「考察」が大切です。世の中に既に理論があるからこうなるのだと思考停止せずに、自分で世界を捉えて創ることを共に学びましょう。

X-Tech LaboratoryLaboratory

【 未来を創造する研究室がここにある 】

工学部 総合デザイン学科

宮田 佳美 助教

10代の頃は、数学と生物そして、絵を描くことが好きでした。当時日本で開催されたCOP10(生物多様性条約の締約国会議)の影響を受け、高校では理系コースで「環境」について勉強しました。「デザイン」を学び始めたのは、大学に入ってからです。
「デザイン」は、本当にいろいろな分野と多面的に繋がっていく学問分野です。
モノづくりをしていく上で、工学的知識があるとないとでは、アウトプットが変わってくると考えています。自分で立案してモックアップまでつくり、エンジニアと話ができるようになると、仕事をする上で大きな武器になります。
“デザイン”は、課題を解決するものと捉えられがちですが、課題ではなく“資源”を発見して生かしていく方が、新たな発想を得やすく、みんなが元気になる。“地域デザイン”では、この手法を実践しています。
大学では、分からないことがあっても教員にすぐに教えてもらうのではなく、まず自分の頭で考えてみる。その姿勢が大切だと思います。教員は一緒に考えながらサポートします。
モノづくりの現場では、ただモノを作っていれば良いという時代は終わりました。今後のSociety5.0に向けてモノづくりをしていくにあたり、学生時代に学び、身につけた技術をどう生かしていけばよいかをよく考えて練習していかないと使えない技術になってしまいます。自分の技術をどこにどうやって応用できるのかということを知るためにも、世の中をうまく捉えていきましょう。

専門・研究分野

情報デザイン、地域デザイン、デザイン史、デザイン論、デザイン教育

研究テーマ

内発的地域活性化に寄与する資源発見・資源活用に基づくデザイン実践

研究キーワード

内発的発展論、地域デザイン、デザイン方法論、地域資源、資源発見・資源活用

8 働きがいも経済成長も11 住み続けられるまちづくりを12 つくる責任つかう責任15 陸の豊かさも守ろう