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楽しい!を原動力にバリアフリー社会を実現する楽しい!を原動力にバリアフリー社会を実現する

楽しい!を原動力にバリアフリー社会を実現する

工学部 人間環境学科4年
青森県立むつ工業高等学校出身
寺嶋 和

予期せぬケガで体験した
車いす生活を経て

バレーボールを続けていたのですが、高校の時にじん帯を損傷してしまって。入院と車いす生活を余儀なくされ、バレーボールでの大学進学を諦めなくてはいけなくなりました。進学先をどうしようかと悩んでいた時、母が介護施設で働いていたことや自分の入院体験を通じて興味を持った「福祉」とずっと続けてきたバレーボールの「スポーツ」という、二つの分野を学べる場所が湘南工科大学にあると知り、人間環境学科に進学を決めました。

分からない、が
分かった!になる瞬間が
楽しい

その後もケガが続き3回入院することになり、車いす生活を長く経験しました。その時の経験を生かし、現在は、自動運転車いすの研究をしています。2022年には、富山大学で開催された日本機械学会で研究発表も行いました。自分が車いすを使っていた時に「もっと早く走行できたらいいのに」「もっと簡単に操作できればいいのに」など、いろいろと不便を感じた点を研究テーマに選びました。日本はこれからより超高齢化社会になり、車いす生活を送る人たちはますます増えていきます。それならば介護者も介護される側の負担もなるべく少なく快適に過ごせる車いすを作りたいと思いました。私は高校時代、学校から近い祖父母の家から通わせてもらっていました。バレーボール部に所属していて練習はとてもハードだったのですが、朝早くから夜遅くまで祖父母がサポートしてくれたおかげで乗り越えることができました。その時、高齢者がどんなところに不便を感じながら生活をしているかということを深く知ることができました。その経験から、どんな人も安心して快適に過ごせる社会になればいいなと思ったのです。私が研究している自動運転車いすは人を追従して走る仕組みです。プログラムを組んで地図を読み込み、リアルタイムで路面状態や周囲の障害物などを把握しながら進みます。人を追従して走るようになれば、介護者が車いすを押す負担がなくなります。羽田空港内で実際に走行させることにも成功しました。将来的には地図を読み込ませなくても走行できるようになったらいいなと思っています。そうすれば、どんな場所でも自由に行くことができます。この世にまだないものを作るのですから分からないことだらけですが、「分からない」が「分かった!」に変わることがすごく楽しいです。完璧なものがないように完全な正解もありません。試行錯誤しながら自分が実現したいことに向かい「分かった!」を積み重ねて、一歩一歩実現に近づいていくことがとても楽しくて、それが自分のモチベーションになっています。

誰もが安心して暮らせる
バリアフリー社会へ

就職活動の糧になるかな、と思い宅地建物取引士の勉強を始めたらそれがすごく面白くて。建築物にはその規模や用途によって建てることができる場所が決まっているのですが、それには論理的な理由があります。今まで自分が知らなかった世界を知れば知るほど楽しくて、不動産業界に定めて就職活動を行い、大手不動産会社に就職を決めることができました。不動産の世界が面白くて仕事をしたいと思ったわけですが、やるからには大学での学びを存分に生かしたいと思っています。福祉とスポーツ工学に関連する分野を学んだ経験を生かして高齢者はもちろん、体に不自由のあるどんな人でも安心して生活できるようなバリアフリーの建築物に企画から携わって実現させたいです。そしていつか祖父母や親に自分が企画して実現させた建築物を見せたいと思っています。誰もが幸せに暮らせる社会の一助に自分がなれたら嬉しいです。それが今の私の夢です。

※学年・内容は取材時のものです。